日本企業が中国企業に勝てない最大の理由
先日バルセロナにCEIBSの教授が来るということで、CEIBSからIESE、ESADEに交換留学に行っている学生合計15人とスペイン在住のアラムナイが集結した。
ちなみにIESEに来ている交換留学生は合計24人だが、その内CEIBSが10人である。
4割以上がCEIBSからという異常事態である。もっと交換留学生が多いかと思ったら意外と少なかったという印象だ。
MBA各代のスーパースター
(バルセロナでのCEIBSギャングによる夕食の様子↓)
さてその夕食の中で、一人一つ上の代でもうCEIBSを卒業しているアラムナイでたまたまバルセロナに出張で来ていて参加してくれたスペイン人のアラムナイがいた。
MBAにいると、勉強だけでなく、ソーシャル面やリーダーシップ、人格も含めてこいつには絶対に勝てないという、スーパースターに出会う。個人的には、日本の教育からはなかなかこういう人は出てこないんじゃないかなと思う。
彼は一つ上の代のスーパースターの内の一人である。
スーパースターをかき集める中国企業
実はそのようなスーパースターを中国企業が必死にリクルーティングしている。
その内の一つがアリババである。
彼はアリババのリーダーシッププログラム(LDP)に合格し、今アリババで働いている。
日本では全く知られてないが、数年前から、アリババは外国人(中国人以外)だけが応募可能なリーダーシッププログラムを開始した。
ハーバードやスタンフォードといった一流大学院(大学院卒であることが必須、学部は不可)を出ていることが条件で、年々応募者は増えているが、昨年は6000人ほどの応募の中から、30人の猛者が選ばれている。
それに選ばられると、1年間アリババ本社でジャック・マー(アリババ創設者)の膝下でトレーニングを積んだ後、基本的には母国に戻り、母国でアリババの普及に務める。
スペインはアリババの重要なターゲットであり、彼は非常に重要な使命を負っている。
ちなみにアリババのリーダーシッププログラムに一番多く人材を輩出しているのが、CEIBSである。中国のカルチャーを理解し、すぐに溶け込める(中国語もしゃべれる)外国人は多くなく、CEIBSから毎年2−4人程度アリババのLDPにいっている。
もう一人一つ上の代からCEIBSからアリババのLDPに行ったアメリカ人の女性もCEIBSではスーパースター的な存在である。何をやってもスーパーで、こういう人材をかき集めているアリババは本当に凄い。
こんな無敵のスーパーマンが無数にいる企業に、どうやって勝てるのだろうか。。。
ALIBABA GLOBAL LEADERSHIP ACADEMY
アリババ18周年
突然だが下の写真はなんだかわかるだろうか。
どっかのアイドルのコンサートではない。
こちらも日本では全然知っている人はいないと思うが、先日アリババの本社でアリババの従業員数万人を集めて、毎年恒例のアニュアルパーティが行われた。
(動画はこちら↓)
ジャック・マー(アリババ創設者)がマイケル・ジャクソン風に踊り倒している。もうめちゃくちゃである。
スーパースターにも欠点が
こないだ出張に来ていたアラムナイと飲んでいて、このアリババのパーティの話で盛り上がった。そして何と彼はこのパーティで数万人の前でスペインの歌を歌ったらしい。
ともかくこのパーティで歌うことが決まって、一度試しにアリババの責任者の前で彼は歌ったらしいが、責任者は彼の音痴具合に驚愕したらしい。
スペイン語の歌で、その責任者は中国人でスペイン語が分からないにも関わらず、彼の無茶苦茶な音程はそんなものをすっ飛ばしてユニバーサルなものだったらしい。
そこで、なんとアリババは、歌の専門家を彼につけ、一ヶ月間歌の稽古をさせた。そこまでするか身内のパーティで。。。
結果、音痴が解消し、晴れ晴れとして役割を果たし、唯一の欠点を克服し完全無敵のスーパーマンとなった彼の写真がこちら↓
明らかに晴れ晴れとしている。
仕事に関係ある弱点のみならず、仕事と関係ない弱点でも見つけ出し、それを直して最強の人材となることを求めるアリババ、、、恐るべし!!
ともかく、平凡な日本人の筆者には想像出来ない世界がそこには広がっているんだろうなということだけは、彼と飲んでいて伝わったのであった。