CEIBS MBA日記

CEIBS(ときどきIESE) MBA日記

2016年夏から中国、上海のChina Europe International Business Schoolに挑戦する日本人のブログです。本ブログの記事は個人の見解であり、所属する組織や団体とは一切関係なく、組織の公式見解等を示すものではありません。

中国企業の本丸に挑んで、返り討ちにあった話

3月末に女性のリーダーシップフォーラムというイベントがCEIBSのキャンパスで行われた↓↓
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筆者は最後のコンペに出るために、参加することは残念ながら出来なかった。
このイベントには輝かしいキャリアのCEIBSの諸先輩方も参加されていた。

ポスター右下の先輩方は、以前紹介したアリババのLDP(リーダーシップ・プログラム)に合格して、現在ジャックマーのもとでトレーニング中の無敵の先輩方である。

見て欲しい。このポスターからでも伝わってくる圧勝感。

そう、そんな無敵のスーパーマン、スーパーウーマンに囲まれていると自分も少しはそこに近付けたのじゃないかと勘違いしてしまうことがある。
そんな勘違いは吹き飛び、コツコツと積み上げてきた自信が完膚なきまでに吹き飛んだイベントが、最後に記念に受けた某中国企業(フォーブスのアジアTOP50、世界TOP500の企業の中に選ばれている企業)のケースコンペだった。

 

中国企業に挑んで返り討ちをくらう


このコンペは中国の某有名企業主催のコンペ。
予選を勝ち抜いた5チーム(各6人)による決戦コンペ。

筆者がこのコンペに参加した経緯は、CEIBSの同級生たちに、この企業のコンペに参加するが、人数が足らず、参加してくれないかということで声がかかった。
もちろんオッケーということで参加して、難なく予選を突破。
これはいける!!
ということで望んだ決勝ステージ。

会場につくなり明らかに張り詰めた雰囲気に驚く。。。

主催者側から開口一番

「今日集まった30人の中から目立った9人を翌日の面接に呼びたいと思う。そして、更にそこから4人程度まで絞って次の選考に呼びたい。」

へっ?!選考??コンペじゃないの?!

そうである。
このコンペは今年から始まるということで、情報が全然出回っていなかったのだが、コンペ形式の選考会であった。
そして、この企業は今年から3年間のリーダーシッププログラム(幹部育成の特別な採用)を始めるということであった。

鼻息荒くなる参加者達。

一方で、純粋にMBA最後の記念として、参加した筆者。

しかしここまで来たら、この企業に本気で就職したいと思っている同級生の足を引っ張る訳にもいかないし、全力でやるのみである。
全力を出し切って、翌日の面接を辞退してもいい訳だし。

さてさてコンペのお題は、この中国企業でどこか相性の良い企業を自分たちで選定して、まだこの企業が進出していない国に進出する戦略について発表するという、マーケットエントリーのケースコンペであった。

我々のグループは、中国の飲料メーカーであるHuiyuanとこの企業でコラボして、ベトナムに進出するストーリーを発表した。

ここで会場の張り詰めた緊張感が伝わるだろうかわからないが、会場の雰囲気を写真で共有↓(この企業のLinkedinより)

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もちろんコンペ後のパーティや、昼食の間も常に見られている↓↓

 

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朝8時半から始まったこのコンペは、夜9時にようやく終了した。

このコンペに参加している学校はCEIBSはじめ、INSEADやアメリカのトップスクールの学生である。
なぜ、そこまでの学生をこの中国企業は集められるのか。
それは
「圧倒的な給料」「3年間約束されたとても魅力的なトレーニングを受けられる」からに他ならない。

他の学生の発表は、もちろんどこのグループも素晴らしい発表をしていたのだが、ゔCEIBSでの生活を通して、たくさんこの手のプレゼンは聞いていたので、そこまで驚きはしなかった。

とにかく驚いたのは、
中国企業の幹部の頭の回転の速さ
であった。

今回のイベントでは幹部候補を採用するというだけあって、この企業のファイナンス、戦略、人事、マクロ経済などなどのトップが集結していた(日本企業の形だけの幹部候補生採用とは違う)。
そして彼らの多くは、米国トップスクールでPhD、もしくは最低でもMasterの学位を持っていた。
正直日本企業にいた時は、学位がなんだよ、所詮机上の空論だろ、実務の方が大事だろと思っていた時もあったが、その考えは、留学を通して変わっていった。

そして幹部の方々は、皆完璧な英語を操るだけでなく、一瞬にして、我々の提案を理解し、ズバズバと確信をつく質問を発表者に浴びせ続ける。

45分のプレゼン+15分の質疑応答という構成であったが、どこのチームもこの質疑応答にはとても苦労していた。
我々のグループもなんとかプレゼンと質疑応答を終えたが、個人レベルでははっきりいって彼らの要求するレベルの回答をすることができなかった。

そして思った
仮に明日面接に呼ばれたとして、こんな化け物みたいな人間相手に1時間耐え凌ぐことが出来るのか。。。。

はっきりいって気持ちで負けていた。

結果的に予想通り筆者は翌日の面接には呼ばれなかった。
しかし一方で、どこか呼ばれなかったことで、安心してしまっていた自分もいた。

そう中国企業幹部の頭の良さの前に、完敗した事を痛感していたのだ。
それと同様に、こんな化け物達率いる中国企業と今後戦っていかなきゃいけないというかと、とてつもない壁の前に絶望した。

MBA生活を通じてコツコツと積み上げて来た自信が崩壊した。

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(スラムダンクより↑)

知らない方が幸せなこともたくさんある。

MBA生活を通じて、本当に思うのは、知らない方が幸せなことはたくさんあるということである。
中国企業の幹部がとんでもなく頭良くて、彼らはとてつもない給与とオポチュニティを提供することで、世界中から更なる天才をかき集めている。
実際に日本人として初めて、この企業の本丸に挑んで、改めてそのハードルの高さ、恐ろしさを痛感した。

ceibs2018.hatenablog.com

 

これは多分別に知らなかったら知らなかったで、全然問題ない話である。
しかし、筆者は幸か不幸か、日本のお隣の国の本丸に挑む機会を得てしまった。
これからは何をするにしても、何か成功したとしても、あの国のあの企業のあの人だったらどうしているか、と比べてしまうことだろう。

MBA生活の最後の最後に、MBA生活を始めた当初の、周りのレベルの高さに対する絶望感を、敗北感を今また感じている。
振り出しに戻った感じである。
くー!!!

よし、とりあえず筋トレしにいこう