勉強し過ぎるなよ、MBAだぞ
CEIBSはMBAのランキングをとても重視している。ランキングは様々な要素からその学校を採点して毎年発表されているが、その中にその学校の教授のレベル(どの程度インパクトのある論文を発表しているか)という項目がある。
CEIBSはランキングを上げるため、世界中から著名な教授をヘッドハントしてくる。
従ってCEIBSの教授陣の大半は中国人以外である、また中国人だとしても皆海外で教鞭をとってきた教授陣である。
たかがGPA、されどGPA
そのような教授陣はCEIBSと他のMBAスクール(主に米国)との比較をするのだが、一つ、皆が言うのはCEIBSの学生(主に中国人)はGPAを過剰に意識し過ぎているということである。
そのため他の学校は分からないが、テスト前に教授から、「限りある時間を有効に、どうせおれの授業の内容なんて試験終わった瞬間に全て忘れてしまうんだろうから。」といったエール(?)をもらったりした。
そして試験前に、パーティ等といったソーシャルな場に、勉強を理由にあまり学生がこなくなる現状を見かねて、CEIBSのオフィスから、成績はインターン先や就職先等にこちらから提示することはないから心配するな、テストは気楽に受けろ。という趣旨のメールが回った。
CEIBSの学生が過度にGPAを気にするのはいくつか理由がある。
1. Term 1&2のGPA 3.3を切ると奨学金全額返済
一番大きな理由が、Term1と2の成績がある程度以下だと全額返済しないといけないからである。もらっている奨学金によって基準となるGPAは異なるが、基本的にはGPA 3.3が一つの目安なようである。
CEIBSはランキングを上げるために、教授だけでなく、生徒にもかなり奨学金を提供している。肌感覚では半分以上の学生が何かしらの奨学金を得ている。一方でGPA3.3ということは少なくとも半分より上位に入っていなければならない。従って毎年10人以上の学生が奨学金全額返済という羽目に合うのである。
2. Term 1&2の成績で2年目の交換留学先が決まる
次に大きな理由が交換留学先である。CEIBSは世界各国にかなり多くの交換留学先があるが、勿論レベルは色々で、トップスクールへの交換留学にはかなり高いGPAが必要となる。
3. 中国人のメンツ
欧米人の同級生はもちろん勉強もしっかりするが、一方でこの自由な時間を最大限にエンジョイしようとしている奴が多いので、試験前だからといって大事なパーティを欠席したりソーシャルなイベントへの出席を試験前だから控えたりする者は少ないように感じる。
彼らは中国での人脈作りに来ているので、それは一時のGPAに比べて比べ物にならない位重要なのである。
一方で、奨学金ももらっていない、交換留学にも行く予定のない中国人になぜそこまでGPAに拘るのかと何回か質問したことがあるが、全員「面子のため」と答えた(ちなみに中国語でもメンツは面子という字で意味も同じである)。
日本もそうだが、中国は日本以上に面子をとても大事にする。もちろん熾烈な受験勉強を経験してきているのも関係していると思う。
という訳で筆者のGPAが低くても、決して怠けている訳ではなく、周りが激しく試験対策をしているからなのである。