CEIBS MBA日記

CEIBS(ときどきIESE) MBA日記

2016年夏から中国、上海のChina Europe International Business Schoolに挑戦する日本人のブログです。本ブログの記事は個人の見解であり、所属する組織や団体とは一切関係なく、組織の公式見解等を示すものではありません。

CEIBSサマーブートキャンプの思い出

今回は、アドミッション・オフィスに頼まれ、7月に行われたCEIBSブートキャンプのアドミッション・オフィスが作成した日記を日本語訳したものを紹介したい(英語原文は一番下に記載)。

(ブートキャンプとは?↓)

ceibs2018.hatenablog.com

 

以下日本語訳である(最初は真面目に翻訳していたが、途中から教授のプチ情報などを小生が加えてアレンジしてます)

 

2017年7月11日上海。17カ国から集まった58人が夏休みをとって、通常とは異なる形でリフレッシュするべく上海にやってきた。
目的は、CEIBSのサマーブートキャンプを通じて、自分がMBAにどれ程フィットするかを確認すること。
CEIBSのサマーブートキャンプを通じて、オン&オフのMBAライフを体験することが出来る。例えば、一流教授陣による講義、ケースディスカッション、会社訪問、卒業生たちとの交流等など。以下は5日間のプログラムのハイライトである。
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1日目 - MBAコースの紹介、モバイクケーススタディ、カンフー

偉いおっさん教授(Associate Dean and Director of CEIBS MBA Programme Professor Juan Fernandez )からブートキャンプの開会宣言とCEIBSのMBAが他のトップMBAスクールとどこが違うか、3点説明があった。

  1. Experiential:授業の一環で、実際の企業にコンサルに入るコンサルプロジェクト(Integrated China Strategy Project (ICSP)) やゴビ砂漠でのコンペティションといった体験型、経験型の授業とCEIBS独自のメソッドで、知識の定着を図る。
  2. Rigorous:世界的に評価されているCEIBSの必修科目、選択科目を通じて、ビジネススキル・知識の強化を図る。
  3. Future:デジタルビジネス、イノベーション、スタートアップの中心地である中国・上海で学ぶことが出来る。

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ストラテジーを専門にしている教授の授業では、モバイク(シェアリングバイク)のケースを通じて、競合他社に負けない、競争力のある長所を生み出す革新的な組織を作るにはどうしたらよいかのレクチャーがあった。

ceibs2018.hatenablog.com

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その後一行は、時差ボケ解消のために、夕方カンフーのレッスンを受け、メンタルと肉体の柔軟性を高めた。
(ちなみに筆者は実はまだカンフーをやっていない。CEIBS卒業までに必ずやらなければと思っているものの一つである)

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2日目 - 中国の発展の持続可能性、フィンテックの未来、ダウ・ケミカルの挑戦

 

マーケティング専門のLydia Price教授による中国の発展の持続可能性についてのレクチャーから二日目は始まった。
今までとは異なる、持続可能なビジネスモデルが必要で、そのためには企業内の一部のチームメンバーのみならず、企業の全員を巻き込む仕組み作りが必要だと語る。
(このおばちゃん(結構偉い)は典型的なアメリカ人で、特技はコールドコール(クラスへの貢献度が低い生徒を指名して発言させる)である。ちなみに筆者と同じ中国語の学校に通っており、風貌からは想像出来ないが、驚くべきことにとても流暢な中国語を話す)

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その後サンタンデール銀行のイノベーションセンター長Miguel Solana氏がなぜ中国のフィンテックが世界をリードしているかのレクチャーがあり、その鍵は起業家精神だろうと話した。

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そして一行は、Lydia Price教授からレクチャーで学んだことを実際に体験しに、ダウ・ケミカルの上海ダウセンターを訪れて、持続可能な発展のために実際に企業がどのような活動をしているかを学んだ。

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3日目 - スタートアップ企業の大企業との付き合い方(Dancing with Gorillas)、中国でのキャリアについて、小売業の中国での成功について


ストラテジー専門のShameen Prashantham教授からアントレプレナーシップとイントレプレナーシップについて講義を受けた。
教授は、行動を起こす「タイミング」、価値観の共有、リーダーシップ等の重要性について説いた。
(ちなみに彼も、小生と同じ中国語の学校に通っている。CEIBS周辺に住んでおり、いっつも頭にヘルメットをかぶって自転車でCEIBS周辺をうろうろしている。休日は子供といることが多い)

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CEIBSは中国本土で初めて、本価格的なキャリアセンターを備えた学校である。
ランチタイムに、今現在のアジア域内のキャリアのトレンドや、チャンスについて情報をキャリアセンターと共有した。

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その後、中国に進出し、成功を収めているアウトレット(Value Retail China)を実際に訪れて、成功の秘密についてレクチャーを受けた。

www.chicoutletshopping.com

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4日目 - 卒業生の成功体験、上海タワー、コワーキングスペース(Naked Hub)

CEIBS卒業生による、彼の成功の秘訣について共有から4日目はスタート。

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彼は、事業の話以外にもCEIBS受験にあたってGMATで大変苦労した話などを共有してくれた。

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2020年までにできる世界で高い建物の上位20位の内、10個は中国にあるといわれている。

その中でも、CEIBSのEMBAの卒業生がGMを務めている上海タワーに一行は向かった。

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その後一行は、中国でも盛り上がっているコワーキングスペースビジネスで、中国国内最王手のNaked Hubを訪れた。
そこでは、更にビール片手に二人の起業家(農業とVRゲーム)の話を聞くことが出来た。

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5日目 - 多極性と閉会式

5日目はDavid Gosset教授による、中国のニューノーマルに関する講義があった。

David Gosset - Wikipedia


(彼は客員教授だが、様々なテレビ番組でも見かけることがある。彼の授業は秀逸で、MBAの教授陣の中で唯一パワーポイントを一切使わない。ちなみに日本が大好きで、授業中は間違いなく事あるごとに指名される)

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最後に、アドミッション・オフィスのナンバー2であるSteven氏により、Boot Campの閉会式が行われた。

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このような一週間のお試しMBAのようなものをやっている学校は意外と多くない。
筆者は受験生の際に、予定が合わず参加できなかったが、上海は日本からも近いため、日本人も参加しやすく、将来MBA受験を考えている方はおすすめである。実際毎年日本人は数名参加している。


もし来年度のBoot Campに興味があれば、アドミッション・オフィスの James Kentまでご連絡下さい。kjames@ceibs.edu


(原文はこちら↓)

https://www.linkedin.com/pulse/diary-ceibs-summer-pre-mba-boot-camper-james-kent-孙吉米?lipi=urn%3Ali%3Apage%3Ad_flagship3_profile_view_base%3Bvl0ixy4ERWiopYl4cxjidw%3D%3D

不幸な交換留学

交換留学にあたっては、成績+エッセイ(学校への貢献度)の総合スコアで決まる。
学生は第一志望から第三志望まで提出して、その総合スコア順に並べられ、上から決まっていく。自分の順番が回ってきて第一志望の学校が既にスコア上位者で埋まってしまっている場合は、第二志望校に。第二志望校も既に埋まっている場合は、第三志望に。
第三志望も埋まっている場合は、どこにもいけず、余っている学校を対象としたセカンドビッドに回ることになる。

学校側もなるべくミスマッチをなくし、生徒がよりハッピーになるようにトライアルビッドを事前に行う。そうすることで、この学校にはあいつが申し込んでいるから、自分の成績では、ここは無理そう、ここならいけそうというのが分かるのである。

不幸な交換留学

また、交換留学前は一個上の代から留学先について教えてもらうセッションが多く用意されている。アドミッション・オフィスが口酸っぱくこの時期に言っていたのは、

「必ずしも交換留学に行った全員が幸せになれるとは限らない。」


ということである。交換留学に行って満足な経験が出来なかった人が毎年一定数(相当数)いるらしい。上手く本科生と馴染めなかったり、そもそも学校自体も交換留学生をそこまでウェルカムでなかったり。従ってじっくり自分の性格と、国、学校を調べて考えて応募するようにということだった。

実際、CEIBSは交換留学に大変熱心な学校で、CEIBSから学生が他の学校に行くだけでなく、CEIBSにも毎年たくさんの学生がやってくる。
CEIBSはこのようにかなり交換留学に重きを置いている学校なので、色々なイベントを用意して、交換留学生と本科生との交流の場を用意している。

しかし、やはりそれでも、交換留学生が本科生に溶け込むのは容易ではない。特に交換留学生が3ヶ月という短期間で中国人コミュニティに溶け込むのは不可能である。

 

色々な一個上の代の人の話と、CEIBSで実際に目の当たりにした交換留学生達を観察した結果を総合して、小生が出した結論は、

  1. 交換留学を比較的ウリにしている学校(一部の特にアメリカの学校は、自分達がベストと思っているので交換留学を重要視していない)
  2. CEIBSからその学校に比較的多く交換留学の枠が設定されている学校(多くCEIBSからその学校に学生が行けば、自然とネットワークが広がるはず。友達の友達は友達作戦)
  3. CEIBSよりFinancial Timesのランキングが高い学校

を希望しようということで、プレビッドは第一志望IESE、第二志望INSEADで提出した。第三志望はどこでも良かったが、直前にミシガン大学がロジスティックス関連に強いという謎の情報が筆者に届き(この時期はライバルを減らそうと、嘘か本当かわからないような情報が出回る)、ミシガン大学で提出した。

 

ちなみに各校のCEIBSからの交換留学の枠はこちら(今年度)。

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そしてプレビッドの結果がこちら(実際は横に志望者の名前が出る)。

 

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やはりみんな同じような考えだったのである。それにしてもみんなプレビッドということで、とても強気である。
INSEADとIESEが大人気。特にINSEADは今年のFinancial Timesのランキングも1位だったので、そうだろうなと思っていた。
特に内訳を見ると、INSEADを志望している同級生はトップクラスの成績をおさめている(だろう)同級生ばかりだった。

ではIESEがCEIBS内でそこまで人気な理由は何か。それは、CEIBS設立の際にIESEが相当協力してくれ、今でも学生や講師の交流があり、カリキュラムも似ていると言われていることが大きい。
またIESEの枠10人だが、同じくバルセロナにあるESADEも枠が5人と、合計バルセロナ市内に15人のCEIBS学生が集結することになり、CEIBS学生が多くいる安心感がある。

 

そんなこんなでプレビッドを経て、筆者は本ビッドで志望校をどうしようか悩んでいた。

「正直IESE以外行きたくない」
だけど「INSEAD格好いい
(ただのミーハー)

という率直な感情であった。
とりあえずINSEAD、IESE、ESADEの順番で提出し、エッセイを書こうとした。きっとINSEADは無理だと思うけど、IESEかESADEのどちらかにはひっかかるだろうという魂胆である。ちなみにエッセイは全ての志望校の志望理由を書かなければならない。


が、しかし全く志望動機が書けない!

INSEADはキャンパスビジットもしたことないし、ランキングが1位以外志望動機が無く、驚くほど薄っぺらいエッセイになってしまうのである。

同様にESADEもである。実際にみたことがない学校について書くことが出来ない。。。

 

ということで最終的に筆者はIESE単願で、提出することにした。

その結果無事選ばれたのだが、最終的なビッドの志望者数はこちら。

 

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プレビッドの結果を踏まえて、人気校からもっと分散するかと思いきや、そんなことはなく、なかなかみんな強気の志望校選択を行ったようである。

 

ちなみにそんなことしなくていいじゃんと思うのだが、誰がどこの学校に行けるという一覧以外に、誰がどこの学校を第1、2、3志望として提出したかまでCEIBSは発表する。
そのため、あーなるほどこの人は本当はこの学校に行きたかったけど、点数が足りなくてここになったのか、とかが分かる。

ちなみに第一回のビッドで第1〜3志望の学校から漏れてしまった同級生(結構多い)は、第2回ビッドに回ることとなった。

 

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ということで、小生の交換留学の枠を巡る戦いは、無事に終わったのである。
いやー学校に媚を売っておいて良かった。

ceibs2018.hatenablog.com

 

 

バルセロナに移住しました。

先日、日経新聞に載っていたアジア、中国企業と日経企業の給与格差に関する記事。

www.nikkei.com

そしてこちらは平均年齢29歳、平均年収1300万円のテンセントに関する記事。

www.nikkei.com


中国におけるホワイトカラーの需要はまだまだ大きくなる一方で、供給が追いつかないので、中国のホワイトカラーの賃金はこれから更に上がることが予想される。

(↓以前解説した記事)

ceibs2018.hatenablog.com


実際にLinkedin等でテンセント、アリババといった中国IT企業の社員の経歴をみてみるとハーバードやMITといったアメリカの一流大学出身のデータサイエンティスト等がごろごろしている。
また、これらの企業は、リーダーシッププログラム(幹部候補の採用)や一部ポジションには最低でも大学院を出ていることが最低条件となっている場合が多い。
尚、CEIBSにはここらへんのトップの中国企業出身者が多いので、別途彼らのインタビュー記事を掲載したい。

ブログのタイトル変更

(9月1日に変更すると言っていて、遅くなりましたが。。。。)

 

今月から12月までスペイン、バルセロナにいる。IESEに通うのである。
なぜIESEにしたのか、一番大きな理由は3 年前にIESEのキャンパスビジットがきっかけで、それがきっかけでMBAを志したからである。

丁度3 年前、トマト祭り(トマティーナ)に参加するためにバルセロナにきた小生は、友人が遅れてくるため1日時間を潰さなければならなかった。その際に、たまたまGoogleの検索の右端の広告でIESEが出てきて、ちょっと調べてみると世界的なMBAスクールということがわかり、現地の在校生にコンタクトをとって訪問したのである。

 

英語を自在に操りとても格好良く見えるMBA生、キャンパスは高台にあり、バルセロナ中を見渡せるキャンパス。。。ありえん!何があっても必ずここに帰ってくる!!

 

と誓ってから3 年かかって、当時考えていた形(普通に会社を辞めてIESEを受験)とは異なり、何と上海経由でIESEにやってくることになったが、当時の目標を達成出来て本当に嬉しい。

ceibs2018.hatenablog.com



それ以外のIESEを選んだ理由は、次回の記事で書きたいと思う。

ちなみに住まいはサグラダファミリアに割りと近いのだが、上海にいる時は日本で言えば大阪城の目の前に住んでいるようなもんじゃん!最高!と思っていたが、バルセロナに来て、どこに住んでいるの?
と聞かれてドヤ顔でサグラダファミリアの近くと言うと、「あーどんまい」みたいな顔をされることが多い。
バルセロナに来てわかったのだが、このエリアは、東(サグラダファミリア)に近付くほど、家賃が安くなり、治安も悪く(?)なるらしい。
なるほど確かに候補の中から一番安い物件を選んだが。。。
現地に来てみないと分からないことだらけである。

IESEに行くが、まだ中国ネタで書けていない記事が多くあるので、しばらくは中国ネタが続くと思います。