Habour.Space Universityに突撃する
いよいよ今週からCEIBSの同級生インタビューがBillion Beatsの連載で始まった。
毎週一人ずつ、家族も仕事もプライベートも全て充実させたいという、とっておきの同級生達を紹介していく。自分自身もとても興奮している。
初回は、日本でも新卒の給与が高いことで有名となったHuaweiの本社で社内結婚をした同級生のストーリーである。
<第4話>エリートエンジニアがHuaweiを辞めてMBAに学ぶ理由 |
Habour.Space Universityに突撃する
前回の記事の通り、先進的な大学がご近所にあるということと、クリエイターにあこがれている筆者は新しいクリエイティブな匂いがプンプンする大学を訪問することにした。
この大学の最寄り駅はBarceloneta駅。
大学名の通り、海に面している。
ボートと完全に同化してしまっているが、ボートの先の四角の建物がそうである。
(これはサブキャンパス↓)
(こっちが本キャンパス↓)
冬休みじゃないかなと、少し心配していたのだが、その心配は杞憂に終わった。
中に入ってみると、たくさんの学生が勉強(パソコンに向かってコーディング?)や打ち合わせ、また授業もしていた。
以下超クールなHarbour.Space Uniのキャンパスである。
(ガラス張りのディスカッションルーム↓)
(↓至る所で作業をする学生たち)
(↓至る所で作業をする学生たち)
(↓ドリンクバー)
(↓至る所で作業をする学生たち)
(↓屋上の休憩スペース)
MBAとの違いに驚く
一通りキャンパスを案内してくれたところで、アドミッション・オフィスの職員が学校について説明してくれた。
MBAスクールとの違いにいちいち驚くことになる。
1.ハードなカリキュラム
この大学は、学部は通常4年のところを3年、大学院は専門によっては1年で卒業することが出来る。
その分密度濃くカリキュラムが設計されているため、夏休み1週間、冬休み2週間しか休みはないという。これはしっかり夏休みが確保されているMBAとは異なる。MBA生は通常その休み期間にインターンや、職探しをする。
この大学ではその代わり、月曜日から金曜日の授業が基本的に午前中に終わる。
午後はほとんどの生徒が、実際の企業のプロジェクトに携わっているという。
キャンパス内で打ち合わせしている多くは、実は企業と学生の打ち合わせだよと教えてくれた。
アドミッションと話していて途中で話が噛み合わずに気付いたが、こういう高い専門性をもった人達は、卒業後に一つの会社に就職して長期間働くよりも、プロジェクトベースで色んな会社と働くという雇用形態を好む人の方が多い、ということを話していて気付いた。
2.1クラス6人?!
キャンパスを案内してくれている途中で、これは今授業中だよと見せてくれた。
何と左に写っているガラス張りの空間が教室だという。
そして授業は教授1人に対して、生徒たったの6人。。贅沢過ぎる。。
IESEでは60人を超える生徒が一つの教室で授業を受けるのに。
聞くと、通常の大学と異なり、最大でも1クラス15人となるように調整するとのこと。
そして、教授陣は、アカデミックな教授というより、実際にビジネスの世界で活躍している人達を招いているという。
中国からもテンセント(Wechatの会社)やDidi(中国版Uber)の幹部が教授として来るという。
とにかく実践的な授業を心がけているという。そして学校のビジョンにも世界で最も革新的な授業を提供出来るようにしたいと記されている。
3.いつでも入学可能
一つの授業が2週間ぶっ続けで続く。その期間は他の授業はなく、1つの授業だけに没頭出来る。
生徒は、MBAと同じくTOEFL等を受けなければならないが、それに加えてこの大学では数学は言語同様に重要ということで、数学の試験を受けなれければならない。
もし数学の能力が足りないと判断されると、1年間数学のコースを受けなければならない。
また、インタビューでは、データサイエンスやプログラミングのプロセスが理解出来ているかも問うといっていた。
当然ながら、入学者毎にレベルも異なるので、人によっては明確に1年とか2年とかでなく、既にクリアしている能力の授業は、出る必要がなく、もっと短期間で卒業することも可能とのことだった。
また、2週間ごとにどんどんトピックが変わるので、その切れ目で入学することが出来、1年中いつでも出願、入学が可能ということだった。
一体誰が何の目的で作ったの?!
とにかく、MBAとは全く異なるし、既存の学校とも全然異なる。
そうなってくるといよいよ気になってくるのは、誰が何の目的でこの大学を設立したかということである。
創設者は、ブログ冒頭にある動画にも出てきているSvetlana Velikanovaというロシア出身の女性。
彼女は、投資銀行を渡り歩いた金融の専門家。
彼女の夢である、既存の大学とは異なる真に実践的な学校を作りたいということで、当時マッキンゼーのナンパー2だが3だかの人等重鎮を口説き落とし、賛同を得て昨年冬に開校されたばかりの大学である。
(マッキンゼー始め、様々な会社から支援を受けている↓)
この学校、雰囲気がとても野心的である。
そしてこの感じがとてもCEIBSに似ているのである。
来年からは更に新しい学科も追加されるということで内緒で教えてももらったが、名前だけ聞くと、そんな大学の工学部のような施設が必要そうな学部作って大丈夫?!と思ったが、きっと大丈夫なのであろう。
日本語でこの大学が紹介されていたCNETの記事では、MBAの代わりとなると書いてあったが、今回紹介したとおり、MBAとは学ぶ内容も、スタイルも相当異なる。入学時に求められる能力も違う。
一番決定的な違いは、経営者に必要なジェネラルな知識をざっくり学ぶMBAに対して、この大学は真のスペシャリストを育成するべく授業がデザインされている。
しかし筆者はこういう大学が好きである。大学、会社と伝統ある組織に属してきたので、このように新しい組織で、とても野心的な組織にはとても惹かれる。