CEIBS MBA日記

CEIBS(ときどきIESE) MBA日記

2016年夏から中国、上海のChina Europe International Business Schoolに挑戦する日本人のブログです。本ブログの記事は個人の見解であり、所属する組織や団体とは一切関係なく、組織の公式見解等を示すものではありません。

なぜチャイナのMBAスクールが世界11位に?!(後編:中国で起業するためにCEIBSに来た同級生による解説)

Class of 2018には筆者以外にもう一人日本人がいる。彼は、筆者よりも中国語が達者で中国歴がうんと長い、中国に骨を埋めるつもりで、中国で必ず起業して成功するという明確な目標がある。
そんな彼に、今回「なぜCEIBSに行くべきか」を寄稿してもらったので紹介したい。

 

欧米MBA vs CEIBS

中国におけるブランド

CEIBSはグローバルでの知名度はまだまだ低いが、中国では名実ともにアジア最高峰のビジネススクールと認められている。アメリカにおけるハーバード、スタンフォード、ウォートンといった名門がアメリカで抜群のブランドを持っているように、CEIBSの中国におけるブランドは随一である。特にCEIBS本キャンパスがある上海では、大手企業に勤めている中国人であれば誰もが知っている。例えば、筆者はCEIBS入学前はとある日系大手製薬企業の中国本部(上海)で働いており、MBAを志し始めた頃から時折中国人の同僚や幹部にMBAの相談をしていた。彼らに中国で推薦するビジネススクールはどこか?と聞くと、ほぼ全員からCEIBSを推薦された。その理由として一番多かったのが、「外資系企業でのCEIBSのブランドは中国でNo.1」、次に多かったのが「欧米の超一流校に匹敵するファカルティ、学生の質」、「外資企業大手、私立企業大手におけるアルムナイネットワーク」であった。因みに筆者が最終的に中国のMBA選び、CEIBSに入学することを決めた理由は、前職のマネジメントメンバーの一人から、「MBA卒業後、中国を離れ国外で働くのならアメリカのトップスクールを選ぶべきだ。しかし、もし今後中国でのキャリア形成を計るのであればCEIBSがベストだ。」というアドバイスに納得し決めた。中国には他にも有名なビジネススクールはあるが、CEIBSはグローバルレベルでトップ企業に数多くの経営メンバ—を輩出している実績から、特に外資系企業からの人気は高い(*中国内のビジネススクール比較については別途紹介)。そのため、これら多くの企業が将来の幹部候補を確保するため、独自に幹部養成プログラム(所謂、リーダーシッププログラム)の提供等を通じて、CEIBSの学生を引き入れようと競い合っている。写真は昨年2015年の卒業生キャリアレポートハイライト。CEIBSが如何に就職に強いかがお分かりいただけると思います。特に平均年収増加率91.9%はえげつない。キャリアレポート詳細はこちらを参照。http://www.ceibs.edu/mba/career-reports

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中国におけるアルムナイネットワーク

CEIBSアルムナイの母校愛は強く、卒業後もアルムナイネットワークを通じて彼らの友情は繋がれている。 これらCEIBSアルムナイは卒業数年後には大手企業のトップマネジメントポジションに就くため、CEIBSのアルムナイネットワークは各種業界に絶大な影響力を持っている。写真はCEIBSアルムナイにより、有名な上海外滩にて盛大にCEIBS20周年を祝うイルミネーションが催された。学校によると、このイルミネーションが点灯しているビルはCEIBSのアルムナイが経営しており、学校に対して無償で提供されたとのこと。

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実は筆者の前職の上海本部の社長もCEIBSのアルムナイであり、自分がCEIBSに入学することを伝えたところ非常に喜んで頂き、今後はCEIBSファミリーの一人として、プライベート用のWechatアカウントやemailを教えて頂いた。また、CEIBSにはメンター制度があり、全ての学生にCEIBSアルムナイのメンターが着く。メンターは通常企業のエグゼクティブレベル以上であり、毎年200人程応募する。その内中国人メンターは約8割、外国人メンターは2割ほどである。筆者のメンターはCEIBS EMBAを卒業した台湾人のJohn氏で、現在はフードデリバリー、E-commerce、美術館経営など数多くのビジネスを手掛けるSerial Entrepreneurである。マスターJohnとは月に一〜二回程度定期的に会っており、筆者の場合は今後の中国での起業を含めたキャリアに関する貴重なアドバイスを頂いている。また、起業に対して積極的に後押ししてくれ、彼自身のネットワークにある投資家を紹介してくれたりもする。写真は一月一日に頂いたマスターJohnからの温かいメッセージ。意味は「あけましておめでとう!志多き新しい年、挑戦も多いだろう。勇敢に立ち向かい、新たな価値を生み出せば成功は自ずと見えてくるはずだ。そして何よりもご家族の健康を大切に」。

 

そして何と言ってもCEIBSネットワークの最大の価値は同級生達との絆である。今後間違いなく中国のトップリーダーになっていく仲間達とMBA生活の苦楽を共にしながら結ばれる絆は今後中国ビジネスに関わっていく人間にとっては一生の財産となる。

 

中国におけるリーダーシップ成長のための最高の環境

先述の通り、CEIBSは名実ともにアジア最高峰のビジネススクールであり、世界中からトップレベルのファカルティにより授業が行われ、トップ企業の中でも優れた実績を積んできた実力達が集まるので、授業、学生の質は一流である。皆がクラスにどれだけ貢献できるかを競わせるプログラムになっているので、クラスではいつも熱を帯びた議論が展開される。また、一人では絶対にこなすことのできない膨大な課題が与えられるので、必然的にチームワークが重要となってくる。しかしこれら個性の強いメンバーをまとめていくのはそう簡単なことではない。皆リーダーシップが強く、自己主張が強い。これに加えて限られた時間(大体課題の締め切りは課題告知から一〜三日後)といった条件がつく。こういった極端な環境下に置かれることで、自分の殻を破り、リーダーシップが磨かれていく。

ここまでは欧米のトップ校と変わらない点ではあるが、CEIBSの特徴は中国ビジネスにフォーカスしたプラグラムである。CEIBSはChina Depth, Global Breathを掲げており、授業も欧米企業のケースだけでなく、中国ビジネスのケースがよく取り上げられるので、グローバルで通用するマネジメント理論を身につけながらも中国独特の文化、風習への理解が深められる。この点が他のトップビジネススクールと違うところで、外国人を含めた生徒のほとんどが卒業後も中国でのキャリア発展を選んでいる(写真は2015年実績)。

結論:欧米トップ校?それともCEIBS?


これは上述の通り、MBA後のキャリアをどう描くか次第である。もしCEIBS卒業後に中国外でのキャリア発展、又は中国と全く関係のない方向を検討している方には正直CEIBSはオススメしない。筆者の考えでは、MBAの価値は大きく分けて、ブランド、ネットワーク、(インターナショナルな環境での)リーダーシップ向上にあり、もし中国外を選んだ場合、MBA最大価値である最初の二つの要素が十分に享受できないからである。一方で、今後中国ビジネスと深く関わっていきたい、同時に世界トップレベルのMBAプログラムを受けたい、という人にとってCEIBSはベストの選択肢であると思う。