フランス前首相が教授に就任(中国MBAでの教授陣のサバイバル)
CEIBSの教授陣は頻繁に入れ替わる。
学生からのフィードバックはとても重要で、学生からの評価が低い教授はいなくなって、また新しい教授をCEIBSが探して連れてくる。
MBAの教授陣も厳しい競争環境
学生の評価ばかり気にしてたら、本来やるべき授業が出来なくなる、もしくはヌルい授業になってしまうのでは、、と思う人もいるかもしれないが、
基本的にここは借金をして、生活費等含めると1000万円以上の出費をして、本気で何かを掴みに来ている学生達の集まりである。
学生も各授業にもそれなりのリターンを当然ながら求め、その価値が無いと判断すると、授業期間中でも教授を変えるようにクレームもするし、アドミッションオフィスに激怒もする。
教授が漏らしていたが、そのため、EMBA生(起業家や上場企業幹部等のエグゼクティブ向けのMBA)の授業が一番大変だし、緊張すると言っていた。
学生もMBAとは比べものにならない位経験を積んだ方々ばかりだからである。
ちなみにアリババ創設者のジャック・マーも北京にある長江商学院のEMBAコースで学んでいた。
ジャック・マーに何を教えるんだよと思うかもしれないが、EMBAはより、ビジネスに直結する人脈形成を目的にしている方々が多いように思うので、必ずしも学問だけを目的にして来ているわけではない。
中国MBA生からのフィードバックのすごさについては、長江商学院で教鞭をとられたことのある遠藤氏のこちらの本で少し紹介されている。
少しだけこの長江商学院の話の部分だけ紹介すると、長江商学院のEMBAの学生が、授業の一環で来日した際に、遠藤氏が半日ほど講義を担当した。
それから2週間後に突然長江商学院の副学長から連絡があり、長江商学院で授業を持って欲しいと連絡をしてきたというのだ。
以下、本書より二つ紹介したい。
突然の教授就要請
以下本書より一部抜粋。
「私は驚いた。学生たちが日本で私の講義を受けたのは、わずか二週間前だ。その声がすぐ副学長に届き、副学長自らが私に電話をしてくる。このスピード感は日本においては大学はもとより、一般企業でもありえない」
授業に不満でボイコット
またこちらは中国ではなくシンガポールのMBA生との出来事。以下本書より抜粋。
「あるとき、私の授業が終わると、何人かの学生が真剣な顔つきで私に詰め寄って来た。何事かと思って話を聞くと、早稲田ビジネススクールから派遣されているもう1人の教授の授業内容がひどすぎるからなんとかしろ、と私に文句を言って来たのだ。改善されなければ、その教授の授業をボイコットすると言う。」
ここらへんの事情はCEIBSで授業を受けてよく理解できる。
CEIBSから新しい教授就任のメールが
そんなこんなで教授の入れ替わりが激しく、アドミッションオフィスからよく新しい教授の紹介メールが届くのだが、昨日届いたメールがこちら。
いつも通り新しい教授の紹介かと思ってメールを見ると
フランスの前首相!!
さらっと一国の前首相が教授に就任してしまう。
これも中国MBAのすごさである。
ちなみに筆者がIESEに交換留CEIBSに講演に来てくださっていた↓
このような重大な意思決定や、新しい優秀な教授の発掘のために世界中を飛び回っている重要人物。
それがCEIBSの場合も副学長である。
以下にもやり手そうなこのおっさん方。
二月に日本にもやってくるので、是非フランス前首相を口説いた彼の講演も来ていただけたらと思う。