次に日本に上陸しそうな中国企業と、その光と闇(中国のフードデリバリー会社)
最近しばしば中国企業の日本進出のニュースを耳にする。
以前ブログでも紹介したとおり、中国版ウーバーである滴滴の日本進出はびっくりしたけど、
勢いのある中国企業の同級生外国人に対するリクルーティング活動の状況を通して、次に日本に進出しそうな中国企業は予想出来る。
なぜなら、中国企業がインターナショナルに展開しようとした時に、CEIBSにいる外国人は、中国カルチャーもマインドも理解していてうってつけだからである。
そして同級生と話していて、勝手に筆者が次に日本に来るんじゃないかと思っている企業、
それは饿了吗(ウーラマ)である。
中国の出前サービスはものすごい
実は先日ふと日経新聞にウーラマの創業者が紹介されていて、おおおっと思った。
実際に中国でデリバリーサービスを利用したことは想像もつかないだろうし、絶対に理解出来ないと思うが、中国のデリバリーサービスは、日本人の想像の遥か上をいっている。
ウーラマのアプリを通して、レストランの食事をデリバリーのドライバーが我々の元まで運んでくれる。O2O企業である。
コーヒー一杯から火鍋まで、夜中だろうと早朝だろうと数十分以内に届けてくれる。
ともかくこの手のサービスは、電子マネーの利便性と同様で、是非一回使ってみて、便利さを実感してもらいたい。腰を抜かすことは間違いない。
そしてこの業界の最王手のウーラマが近い将来日本に進出するんじゃないかと筆者は考えている。
なぜなら、彼らは最近積極的に外国人(特に台湾人)を採用しているからである。
ちなみにウーラマの意味は、「腹減ってる?」という意味である。
中国フードデリバリー業界(3兆円市場)
中国のフードデリバリーの市場規模は3兆円を超えていると言われている。
2011年に始まった新しい業界ながら、5年で5倍まで伸びた。
2017年上半期は1日平均1,000万人以上の人が中国で何らかのフードデリバリーサービスを使用していたと言われている。
そして今年の上半期までは、このウーラマに加えて、美团外卖と百度外卖の3社でこの市場を争っていた。
ちなみにウーラマはアリババから出資を受けており、美团外卖はテンセントから出資を、百度外卖はその名の通りバイドゥ系列である。
しかしながら、今年の8月にウーラマが百度外卖を買収したため、美团外卖との二強体制となった。
このように、中国のイケてる業界のイケてる会社には、必ずと言っていいほどアリババかテンセントが出資しており、中国経済を牛耳っていると言っても過言ではない。
中国に来たことがある方なら、街中を走っている無数のドライバーに気が付いた人も多いだろう。
こちらが青いウーラマドライバー↓
こちらが黄色の美团外卖のドライバー達↓
中国フードデリバリー業界の闇
このように、圧倒的に便利なサービスで、このお陰で筆者は一時期体重が大分増加してしまったのだが、一方で考えさせられる側面も当然ある。ここでは三点紹介したい。
1. 使用している油が心配
一時期フードデリバリーサービスにハマっている時に、その話をCEIBSのEMBAのメンターに話したところ、どんな油を使っているかもわからないし控えたほうが良いと言われた。
その指摘は全くもってその通りだと思う。
彼のように、所謂ハイクラスの中国人は、一般的なフードデリバリーサービスを使わずに、例えばオーガニックフードの高級デリバリーサービスなどを使っている場合が多い。
2.食料廃棄
デリバリーは大体、プラスチックのケース及び袋に詰められて届けられることが多いがこのサービスの普及により、大量の食料及び容器の廃棄が発生し、社会問題となっている。
3.ドライバーの過酷な労働状況
実は筆者は上海で衝撃的な光景を(2回)目にしたことがある。
それは、フードデリバリーのドライバーが道端で泣いているのである。
疑問に思った筆者は、複数の中国人同級生にしたところ、彼ら曰くフードの配達員は、顧客にフードを届ける約束の時間を数分(詳しく何分だか不明だが)遅れた場合、配達員のその日の給料はゼロになるというのだ。
この点については、今どうなっているかわからないし、そもそもネット上にもそれらしき情報がなかったので、正直確かではない。
但し、これだけ便利なサービスの裏には、たくさんの人(特に配達員)の苦労があることも決して忘れてはいけない。