MBA取得を目指す最近の中国人の動向
最近ヨーロッパに交換留学に来ているCEIBSの中国人同級生が、サイフを地下鉄やバスの中でスリに盗られる事件が相次いでいる。
交換留学の初期に比べて、警戒心が溶けてきて、気が緩んでいる部分もあると思うが、自分は、中国人がもはや中国での「財布を持たない生活」に慣れすぎて、「財布を持つ習慣がない」ため、スマホだけで生活が完結出来ないヨーロッパにおいて、久しぶりに財布を持ったため、財布の扱いに慣れずに、扱いが甘くなってしまったのではないかと想像している。
それを自覚してなのか、面倒だからか、完全にクレジットカードしか持ち歩いていない中国人同級生も結構多い。
彼らは現金が必要な店では、筆者のように現金を持ち歩いている友人にその場でお金を借りて、後で借りた分を返すということをやっている。大変賢いと言えば賢い。
財布やパスポートをすられたら金銭的なダメージはもとより、貴重な交換留学の時間を無駄にしてしまうので、筆者も最後まで気を抜かないように気をつけたい。
中国人の国内MBA回帰の動き
9月25日のFinancial TimesにMBAを目指す中国人の最近のトレンドについて記事があったので紹介したい。
https://www.ft.com/content/5ba53db2-9d4c-11e7-8cd4-932067fbf946
以前ブログでも紹介したが、少し前に中国の新聞でもアメリカ留学は多額の投資をするだけのリターンを得られるのか(適切なROIがあるのか)という議論がホットであった。
その新聞の中では、あまりに多くの中国人がアメリカに留学するため、ただたんに留学しただけでは、その人の強みにならずに、就活で苦戦し、結果的に望みの職につくことが出来ずに、投資を回収できないということが書かれていた。
9月25日のFinancial Timesの記事では、「ここ15-20年、欧米のビジネススクールは中国人留学生と共に発展してきたが、それももうすぐ終わるだろう」というEFMD(高等教育をまとめる機関)のDirectorの言葉とともに始まっている。
この記事で述べられているのは以下の三点だと思う。
1. 中国MBAスクールの台頭
これは今まで散々ブログで述べてきたとおり、Financial Timesのランキング11位のCEIBSはじめ、20の中国のMBAスクールが世界的なMBAの基準をクリアしており、欧米のMBAスクールにわざわざいくメリットが少なくなってきている。
2.中国人のネットワーク
ケンブリッジのMBAスクール卒業した中国人の約90%、ロンドンビジネススクールの中国人卒業生の約50%が3年以内に中国に戻っている。
結局中国で働くのであれば、中国で働く上で一番大事なものはなにか、それは人脈である。
中国のMBAスクールはどこもエグゼクティブ用のMBAコースをもっており(大体MBAよりも遥かに大きい)、このコミュニティにタッチ出来ることで、中国本土で就職するなら圧倒的に有利になる。なぜならば、中国の人気企業の幹部がそこにいるからである。
3.トップスクールの中国ケア
多くの欧米のトップスクールは当然、たくさんの中国人留学生を抱えており、彼らの就職の面倒をみることはとても大事である。
そのため、「アジアフェア」と題した中国企業訪問や、就活フェアを行ったり、中国のMBAスクールとの交換留学を用意しているケースが多い。
FTのランキングで2年連続1位のINSEADは、交換留学先が3校のみだが、その中にCEIBSも入っている。
(INSEADの交換留学先↑HPより)
実際昨年はINSEADから日本人の方がCEIBSに交換留学にきており、中国を堪能されていた。
ちなみに今筆者がいるIESEには、中国人はそこまで多くない(何人いるのかはわからないが。。)むしろ日本人が多いという不思議な学校である。