立つ鳥跡を濁しまくる
(前回の続き)
幸い日本人である自分は(大使館から中国人認定を受けたが)ビザなしで3ヶ月間スペインに滞在することが出来る。
但しこれでは、IESEの授業期間をカバーしきれずに、途中で帰国、もしくは授業が始まってしばらくしてからスペインに入国しなければならない。
そんな残りの日数を気にしながら、滞在期間ギリギリを攻めるのは絶対にいやだ。。。
別に悪いことしているわけじゃないし。。。
真っ向勝負
(数年前の楽天モバイルのCMより引用)
ということで日本人だけど、中国人のビザ要件をクリアするべく、様々な書類を用意することにした。
中国の銀行に相談して、ビザが通りそうな銀行口座の残高水準まで無理やり人民元を購入したり、二年分の銀行口座の残高推移を作ってもらったりなどなど。
いざアポの日に大使館に行くと、まず軽く面接(しかも中国語)。
やはり案の定、書類に不備があり、書類を揃えて翌日に来いと言われた。
何とか翌日全ての書類を提出して、歓喜に浸っているのもつかの間。
ビザが出来上がる予定日は、筆者のフライトの前日。しかも出来上がったら電話で連絡するから、それまで待ってろとのこと。
不安過ぎる。。。
そんな出来上がって直ぐに、こういう役所みたいなところで働いている中国人が電話とかしてくれるのか。。。
そもそも本当に電話してきてくれるのか。
予定日の前日まで待ってもやはり電話はならない。
ということで、予定日にノンアポで大使館にとりにいく。
すると。。。
出来ていた!
やはり読み通りビザが完成されてから、タイムラグがあって依頼主に電話をしていたのであった。てか本当に電話が来たかどうかも不明である。
あぶねー。
何とか無事に予定通りのフライトでバルセロナに行くことが出来たのである。
上海で中国人として(中国人の要件をクリアして)、ついに取得したビザを見つめて、しばらく感動していた。
立つ鳥跡を濁しまくる
とまあ実はここまでは前置きで、
そういうことでバルセロナで一緒に住んでいた中国人がビザの関係で帰国することに。
台湾人はニューヨークにどうしてもバスケの試合をしたいということで、それより更に先にアパートを出ることになった。
筆者は旅行にいっており、台湾人の旅立ちを見送れなかったのだが、アパートに戻ると、台湾人はいないものの、部屋には大量の私物が残っており、まるでまだその台湾人が住んでいるかのようだった。
中国人同居人に聞いたところ、急いで何も片付けずに出ていったとのこと。。。
最悪や。。。誰が片付けるのこれ。。
その後、台湾人同居人と彼の出発前日に飲んだというIESEの友人とたまたま遭遇し話をしていたところ、
「明日出発でまだ準備何もしていないけど、最後に記念にバルセロナのクラブに行くと言っていたよ」
と台湾人同居人が言っていたとのこと。
クラブ行って夜更かし→翌日寝坊→掃除もせずに急いで空港へ
という光景が用意に想像ついた。
なにより厄介なのが、この台湾人はバルセロナ到着早々から、
スペイン料理に飽きてしまい、キッチンで中華料理を作りまくっており、よくわからない油ものでキッチンを大変汚して去っていった。
不動産屋から、退出時にきれいにしてないと掃除の業者雇うことになり多額の費用が発生すると聞いてたはずなのに。。。
ともかく筆者の中での台湾人のイメージは地に落ちた。
。。。いや待てよ、まだもう一人同じようなことをしそうなやつがいる
翌日に帰国する中国人に同じことをされてはたまったもんじゃない。残り全部一人で片付けなければならない。
急いで中国人の同居人に当然ながら自分の部屋等は退室前に自分で片付けてくれと伝え、更に今から台湾人が掃除しなかった分も二人で掃除しようと提案し、二人で片付けをした。
二人で必死に、台湾人が調理し汚して去っていたキッチンをキレイにしていった。
全くしょうがないやつだぜ!と笑いながら二人で掃除していると。。
あれ、、結構楽しい。
適当な性格もその台湾人の良いところでもあるので、まあまあ掃除も楽しんだし今回はオッケーと落ち着いた。
そして翌日、いよいよもう一人の中国人も帰国ということで、朝6時半に見送り、
これで一人になってしまったと、思い部屋に戻った。
部屋に戻り中国人同居人が住んでいた部屋が目に入ると、驚きの光景が飛び込んできた。
。。。へっ?!
何と一緒にキッチンを掃除していた中国人同居人は、自分の部屋を片付けずに去っていったのである。
想定外過ぎて固まる筆者。
完全に意味不明。完成不理解。
ということで今ココである。
まさかの中国人認定を受ける
中国人同級生達のビザ問題
日本にいると、あまり意識することはないが、日本のパスポートは最強である。
至る所にビザなしで旅行にいけるし、ビザ取得にもあまり日数がかからない。
一方で中国人同級生達は、ちょっと旅行に行くにもとても大変である。
大抵の場合いちいちビザをとらなければならない。
今年から日本を旅行する中国人観光客に対するビザの要件が緩和されたが、これには中国人同級生達は大変喜んでいたし、周りの中国人をみても、より気軽に日本に旅行に行くようになっていたのを間近でみていた。
忙しく働いていた中国人が、ちょっと時間ができた時に、今までは中国国内の旅行にしか目がいっていなかったのが、急なちょっとした休暇の旅行先として、日本も選択肢に入ることはとても素晴らしいことである。
鬼門のスペインビザ取得
そして、ちょっと前だが、IESEもしくはESADEに交換留学に来ている中国人同級生がとても苦労していたのは、スペインビザの取得である。
あまりにもビザ取得が大変で、半年間のビザ申請を諦め、ちょっと楽な3ヶ月ビザ取得に切り替える同級生が続出した。
そのため授業期間の途中で、ビザが切れるからと帰国する中国人同級生も数人いた。
筆者はIESEの授業期間に合わせて少し長めの半年間のビザを申請するつもりでいた。
あー大変だなぁ、中国人同級生は。
と横目で見ながら、筆者は日本人であることの有り難みを噛み締めていた。
IESEにいる日本人の友人から、ビザ取得に必要な書類等を確認しており、そこまで手間がかからないことが分かっていたからである。
しかしそんな世の中そんなにアマクはなかった。
まさかの中国人認定を受ける
夏に日本に帰る予定はなかったので、上海にあるスペイン大使館で、スペインビザの取得をしようと、行ってみた。
(上海中心部にある高層ビルに入っている↓)
無茶苦茶混んでる。。。
何とか順番を待って窓口に行って、ビザを取りたい旨を伝えると、まずメールでアポイントを取ってから出直してこいとのこと。なんでも面接もするとのこと。
むむ面接?友人はそんなことは言っていなかったと思いつつ、おーけー了解了解。
ビザに必要な書類等を揃えたいから、ビザ取得に必要な書類リストをお願いすると、中国人用のリストが。
これ中国人用のリストだから違うよ。日本人と中国人ではビザ取得の要件が違うはずだよと伝えると。
「ここ上海でビザを取る以上同じ要件をクリアしなきゃだめだよ。」
とのこと。。
そんな訳あるか。。こっち日本人だし。
何度説明しても話にならず、だんだんそんな気もしてきて、結局中国人として中国人用のビザ要求をクリアしなければならなくなった筆者。
(ちなみに上海のスペイン大使館の中国人職員は、英語は基本的にしゃべれない。
スペイン語か中国語でのやりとりとなる。)
中国人がスペインビザ取得に必要な書類はこちら。
- ビザ取得申請書
- 写真
- 行き返りのフライト予約書
- 過去2年間の銀行口座の推移
- それとは別に、スペイン滞在中の資金を賄えるだけの預金が中国の銀行口座にあることの証明書。
- 滞在期間をカバーする保険
- スペインで通う学校からのレター
- 両親の収入証明書
- Fukou(中国人の戸籍)のオリジナル
- 犯罪経歴証明書etc
ややこし過ぎる。。日本人だからFukouそもそもないし。
そして中国の銀行口座にはお金全然入っていない。
とりあえず、とっとと今手に入る書類だけ用意して、最初の面接をセットし、どうしても日本人だから手に入らない書類があると説明しつつ、数回大使館に通って、最終的に何とか手に入る書類だけでビザをゲットするゴリゴリ寝技作戦でいくことにした。
早速近くのスタバからビザ取得したいから、アポイントのメールを送ると、
面接は最速で1ヶ月後になるとの返信が。
一ヶ月後に大使館にいって、必要書類を提出して一発で通るとは思えない。
オワタ(続く)
【Billion Beatsで連載を始めました】(&連載までの経緯【後編】)
連載が決まってからの苦悩
実は連載させて頂くことを決めてから、実際に第一話が公開されるまでかなりの時間を費やした。
最初、ただ闇雲に同級生達の今後の夢みたいなものを取材して、記事を書こうとしていた。
しかしながら、実際に取材が終わって記事を書いて読み直してみると、
むちゃくちゃつまらない。。。。
Billion Beatsの方々も最初出来上がった記事のつまらなさに驚愕したと思う。
つまらないっていうのは、要は内容が薄っぺらいということであった。
何か具体的なターゲットと、具体的なテーマをしっかりと設定する必要があることに気付き、Billion Beatsの関係者との打ち合わせの中で、自分が最も中国に来て驚いたことを、Billion Beatsの力を借りてより深く追求することにした。
最近、中国のITがものすごい進化している、テクノロジーの進化がものすごいという趣旨の記事は日本語でも多くなってきた。
(こんなのや↓)
(こんな記事↓)
こういう記事も、中国のイメージが数十年前のままストップしている日本人読者には、とても有用だし、意味のある記事である。
しかしながら自分にしか書けない何かがあるんじゃないか。。。
それは多分一番CEIBS自分が上海に来て驚いたことと関係があるんじゃないかと考えた時に、ふと思い出したのが、
「CEIBSの女子同級生達のたくましさ」であった。
語弊が一部あるかもしれないが、上海の若い夫婦(エリートのみならず)の間で、専業主婦という言葉は死語である(良い悪いは別にして)。
二人共当然のように、自分のキャリアを追求しながら、家族も子育ても両立している。
実は中国は、世界の中でも男女平等がとても進んでいる国なのである。
これには、正直筆者は大変驚いた。
中国人エリートから学ぶ、これからの働き方
そしてビジネスのみならず、働き方や家族のあり方、夫婦のあり方、夢の持ち方さえも中国から学ぶ時代が来てるんじゃないかという仮設が、筆者の中であった。
今回の連載で、仮設が割りとそこまで的外れではないということを証明出来たらと思う。
ということで、これからのBillion Beatsでの連載のテーマは、既婚の中国人エリート(特に子持ちの女子同級生)への取材を通じて、彼らがどのように家族、子育て、キャリアを両立しているのか、そして何を成し遂げようとしているのかを聞き出すこととした。
働き方改革が叫ばれている日本の中で、筆者含め迷える若い夫婦は多いと思う。
願わくば、そのような共働き夫婦の今後に役立つような記事が書けたら良いなと思うし、何より、筆者自身が、これから夫婦で家族も子供もキャリアも諦めること無く、最高の人生を実践するために、この企画から多く学べたらと期待している。
またとても嬉しかったことに、連載が始まった後に、日本人のみならず、CEIBSの中国人卒業生達(主にExecutive向けのEMBAの卒業生)がこの活動を評価してくれたことだ。
EMBAの卒業生の中でも、日本でビジネスをやられている中国人の方は多い。彼らの多くは経営者である。彼らとの繋がりもCEIBSでの大きな財産である。
「中でも嬉しかったのは、良いところも悪いところも客観的であることを望みます。」というコメント。
(日本語ネイティブではないので一部自然ではないけど、日本語でコメントを下さる先輩方↓)
日本国内では、中国の話題になると極端にネガティブな報道ばかりされるが、当たり前だけど、中国人の方々が望むのは、極端にポジティブな報道でも、もちろんネガティブなものでもなく、良いところも悪いところも含めて中立的な記事なんだなと改めて気付かされた。
ということで、なるべく自然な中国人が写し出されるような記事を書けるよう頑張りたい。
そして最終的には、少しでも日中の距離が縮まったらと思う。
(Billion Beatsのお世話になっている皆様、アイデア出しの段階で多大なご協力頂き誠に有難う御座いました。今後も引き続きご迷惑お掛けし続けますが宜しくお願い致します。)