中国で自転車は買うものではなく、共有するもの(チャリンコ戦争の真実)
今週、来週と毎日複数のレポートの締切、試験があり、Term 1のようなクレイジーな生活を送っている。
MBAに入る前は、今日は早く寝て8時間寝ようとか、今日は遅くまで飲んでしまったから5時間しか寝れないとか、睡眠は基本的には纏めてとるのが前提だったが、筆者の場合は、MBAが始まってから多忙になればなるほど、24時間の中でどこで寝れる時間があるかと探して、隙間隙間で睡眠を分割してとるようになってしまった。
授業とグループミーティングまで1時間隙間時間があるからここで寝ようとかという具合にである。これもキャンパス内の寮に住んでるから出来る芸当だが、睡眠は夜にとるというものから24時間のどこかでとるものという認識に変わった(体にはきっと良くない)。
ものすごい勢いで変わり続ける上海
この数ヶ月の間にも上海の景色は大きく変わった。
中でも、自転車共有サービスはこの数ヶ月で完全に中国人の生活の一部に溶け込み、なくてはならないものになった。
先週家族が来たので、外滩付近のホテルに泊まっていたところ、そのホテルの周りにもたくさんの自転車が!
そんな上海の表参道みたいなところにもあちらこちらに共有チャリが止まっている。
ちなみにいつの間にか、本当にいつの間にか、気づいたらCEIBSの目の前にもMobikeのステーション(ここでチャリンコを乗り捨てましょう、という場所)が出来ていた。
同じようなサービスを提供するcompetitorが次々と現れ、今やmobikeだけの独占市場では完全になくなった。
CEIBSの教授もこの戦争についてFTに記事を書いているので紹介したい。
Mobike takes funding lead in Chinese cycle sharing
一気にレッドオーシャンへ
下の写真は友人のスマホの画面だが、このアプリ全てがチャリンコ共有アプリである。
mobikeに次いで大きいのがofoというアプリである。名前の由来はofoの文字がなんとなく自転車に見えることらしい。
サービスは基本的にはmobikeと同じ、特徴としては自転車がとても軽いということがあげられる。前の記事で記載した通りmobikeの一つの問題点は自転車が重すぎるということであった。
実はofoの攻勢を受けて、mobikeも大量に軽量化されたチャリンコを投入した。その結果今重いmobikeのチャリと軽いmobikeのチャリと二種類が存在している。間違っても重い方に乗ってはいけない。
利用者としてはこのような競争大歓迎である。
なぜ昨年夏に始まったばかりのチャリンコ共有サービスがここまで普及して、次々と新しい会社が参入してくるのか、
それはチャリンコ共有アプリが流行れば、それだけ自転車が必要になる。そこで、サプライヤー(自転車メーカー)が起業家に出資したり、積極的に後押しした結果、半年足らずでこの数にまで至ったわけである。
そして何より中国政府はこの手の競争を大歓迎している。
Mobike vs OFO
日本でもこの二社が中国でチャリンコ共有サービスでバトルを繰り広げているのを知っている人はいるかと思うが、中国人はこの二社のバトルをまた違った角度でみて、楽しんでいる。
それはこの二社のバトルが、タクシーアプリのDidi vs Uberの戦いを思わせるからである。
最終的には中国企業Didiに軍配が上がったこの勝負。
実はMobikeの創業者胡玮炜は元々Uber上海のGMだった人物↓。
そしてofoのバックにはUberをぶち破ったDidiが出資者としてついているのである。(創業者 戴威↓)
つまりこの戦いは、Uber vs Didiの第二ラウンドとしても注目を集めている。
ちなみにMobikeのバックには中国最大のインターネット企業、Tencentがついている。皮肉にも、TencentはDidiをずっと長らくサポートしている。
また、ofoのバックには、Didiの他に、Xiaomiもついている。
今後もチャリンコ戦争から目が離せない。