中国企業の本丸に挑んで、返り討ちにあった話
3月末に女性のリーダーシップフォーラムというイベントがCEIBSのキャンパスで行われた↓↓
筆者は最後のコンペに出るために、参加することは残念ながら出来なかった。
このイベントには輝かしいキャリアのCEIBSの諸先輩方も参加されていた。
ポスター右下の先輩方は、以前紹介したアリババのLDP(リーダーシップ・プログラム)に合格して、現在ジャックマーのもとでトレーニング中の無敵の先輩方である。
見て欲しい。このポスターからでも伝わってくる圧勝感。
そう、そんな無敵のスーパーマン、スーパーウーマンに囲まれていると自分も少しはそこに近付けたのじゃないかと勘違いしてしまうことがある。
そんな勘違いは吹き飛び、コツコツと積み上げてきた自信が完膚なきまでに吹き飛んだイベントが、最後に記念に受けた某中国企業(フォーブスのアジアTOP50、世界TOP500の企業の中に選ばれている企業)のケースコンペだった。
中国企業に挑んで返り討ちをくらう
このコンペは中国の某有名企業主催のコンペ。
予選を勝ち抜いた5チーム(各6人)による決戦コンペ。
筆者がこのコンペに参加した経緯は、CEIBSの同級生たちに、この企業のコンペに参加するが、人数が足らず、参加してくれないかということで声がかかった。
もちろんオッケーということで参加して、難なく予選を突破。
これはいける!!
ということで望んだ決勝ステージ。
会場につくなり明らかに張り詰めた雰囲気に驚く。。。
主催者側から開口一番
「今日集まった30人の中から目立った9人を翌日の面接に呼びたいと思う。そして、更にそこから4人程度まで絞って次の選考に呼びたい。」
へっ?!選考??コンペじゃないの?!
そうである。
このコンペは今年から始まるということで、情報が全然出回っていなかったのだが、コンペ形式の選考会であった。
そして、この企業は今年から3年間のリーダーシッププログラム(幹部育成の特別な採用)を始めるということであった。
鼻息荒くなる参加者達。
一方で、純粋にMBA最後の記念として、参加した筆者。
しかしここまで来たら、この企業に本気で就職したいと思っている同級生の足を引っ張る訳にもいかないし、全力でやるのみである。
全力を出し切って、翌日の面接を辞退してもいい訳だし。
さてさてコンペのお題は、この中国企業でどこか相性の良い企業を自分たちで選定して、まだこの企業が進出していない国に進出する戦略について発表するという、マーケットエントリーのケースコンペであった。
我々のグループは、中国の飲料メーカーであるHuiyuanとこの企業でコラボして、ベトナムに進出するストーリーを発表した。
ここで会場の張り詰めた緊張感が伝わるだろうかわからないが、会場の雰囲気を写真で共有↓(この企業のLinkedinより)
もちろんコンペ後のパーティや、昼食の間も常に見られている↓↓
朝8時半から始まったこのコンペは、夜9時にようやく終了した。
このコンペに参加している学校はCEIBSはじめ、INSEADやアメリカのトップスクールの学生である。
なぜ、そこまでの学生をこの中国企業は集められるのか。
それは
「圧倒的な給料」と「3年間約束されたとても魅力的なトレーニングを受けられる」からに他ならない。
他の学生の発表は、もちろんどこのグループも素晴らしい発表をしていたのだが、ゔCEIBSでの生活を通して、たくさんこの手のプレゼンは聞いていたので、そこまで驚きはしなかった。
とにかく驚いたのは、
中国企業の幹部の頭の回転の速さ
であった。
今回のイベントでは幹部候補を採用するというだけあって、この企業のファイナンス、戦略、人事、マクロ経済などなどのトップが集結していた(日本企業の形だけの幹部候補生採用とは違う)。
そして彼らの多くは、米国トップスクールでPhD、もしくは最低でもMasterの学位を持っていた。
正直日本企業にいた時は、学位がなんだよ、所詮机上の空論だろ、実務の方が大事だろと思っていた時もあったが、その考えは、留学を通して変わっていった。
そして幹部の方々は、皆完璧な英語を操るだけでなく、一瞬にして、我々の提案を理解し、ズバズバと確信をつく質問を発表者に浴びせ続ける。
45分のプレゼン+15分の質疑応答という構成であったが、どこのチームもこの質疑応答にはとても苦労していた。
我々のグループもなんとかプレゼンと質疑応答を終えたが、個人レベルでははっきりいって彼らの要求するレベルの回答をすることができなかった。
そして思った
仮に明日面接に呼ばれたとして、こんな化け物みたいな人間相手に1時間耐え凌ぐことが出来るのか。。。。
はっきりいって気持ちで負けていた。
結果的に予想通り筆者は翌日の面接には呼ばれなかった。
しかし一方で、どこか呼ばれなかったことで、安心してしまっていた自分もいた。
そう中国企業幹部の頭の良さの前に、完敗した事を痛感していたのだ。
それと同様に、こんな化け物達率いる中国企業と今後戦っていかなきゃいけないというかと、とてつもない壁の前に絶望した。
MBA生活を通じてコツコツと積み上げて来た自信が崩壊した。
(スラムダンクより↑)
知らない方が幸せなこともたくさんある。
MBA生活を通じて、本当に思うのは、知らない方が幸せなことはたくさんあるということである。
中国企業の幹部がとんでもなく頭良くて、彼らはとてつもない給与とオポチュニティを提供することで、世界中から更なる天才をかき集めている。
実際に日本人として初めて、この企業の本丸に挑んで、改めてそのハードルの高さ、恐ろしさを痛感した。
これは多分別に知らなかったら知らなかったで、全然問題ない話である。
しかし、筆者は幸か不幸か、日本のお隣の国の本丸に挑む機会を得てしまった。
これからは何をするにしても、何か成功したとしても、あの国のあの企業のあの人だったらどうしているか、と比べてしまうことだろう。
MBA生活の最後の最後に、MBA生活を始めた当初の、周りのレベルの高さに対する絶望感を、敗北感を今また感じている。
振り出しに戻った感じである。
くー!!!
よし、とりあえず筋トレしにいこう
中国企業に入るのは、僕らが考えているより大分難しい
ちょっと前に大前研一さんの記事で「世界中が「低欲望社会化」する中、日本は美しい衰退に向かう」という記事。
文脈としては日本が美しく衰退するのに対して、中国が台頭して、その流れを止めることはできないという趣旨。
そんな文脈の中で、先日SNSで出回っていた中国企業の方が、日系企業よりも給与が高いという趣旨の記事。。。
同級生の中で、就職先に圧倒的に不人気なのが、日本企業で、その次が韓国企業。
MBA同級生の中に広がっている、日系企業や韓国企業に関する噂(仕事終わりに遅くまで上司と毎晩飲みにいく、残業がとても多い、年功序列で能力が給与に反映されない等々)がその主な理由である。
一方で、この記事にもあるように、日系企業の給料は正直グローバルな企業の給料水準よりも下なので、MBAをとるようなアグレッシブで向上心のある同級生達からは人気がない。
日本の文化がめちゃくちゃ大好き!という同級生以外は志望していないのが現実である。
最近就活シーズンということもあり、私がもし今就活するならこの企業に入る!みたいな記事を目にする。
その中で、ちらほら私が今就活するんだったら「中国企業のインターネット企業」に入る!とおっしゃる方も出てきていて、筆者も当然自分が今その年齢だったらトライすると思うが、一方で
「中国企業に(幹部候補生として)入るのはとても難しい」
という点を触れている記事はあまり見たことがない。
若干、中国企業だったら志望すれば、簡単に入れるような雰囲気すら漂っている記事すらある。
確かに、中国企業の日本支社で、ポジションを望まなければ、中国企業も採用に苦労しているだろうから職を得ることは簡単だろう。
しかししかし、以前アリババのLDP(リーダーシッププログラム)にどれだけの猛者達が選ばれているか紹介したことがあるが、中国企業の幹部候補として採用されるのはメチャクチャ難しいのである。
実体験告白
そして、実は何より筆者が身をもって中国企業に入る大変さを身をもって体感した。
どういうことか?
MBA生活を充実させる上で、かかせないのはケースコンペである。
当然ながら、ケースコンペの主催者はお金がかかるので、それなりにメリットがないとやらない。
ケースコンペのスポンサー企業にはどんなメリットがあるのか?
それは、ケースコンペを通して優秀な学生の発掘という重要なミッションがあるのだ。
見て欲しい、以下が某中国企業のケースコンペに目を光らせる、中国企業の幹部陣である。
まじでこわすぎる。
一番右側の方とかまさにキングダム↓↓
(キングダムより引用)
次回は、筆者の実体験を具体的に紹介したいと思う。
CEIBS合格から入学までにしたこと
海外にいると、むっちゃ出てくる一時帰国の際のポケットWi-Fiの宣伝↓↓
実際に、筆者も日本に一時帰国する際は、ポケットWi-Fiを借りているのだが、はっきり言って、日本に一時帰国する際は、
「タオバオでポケットWi-Fiを借りる」
が正解で、この一択である。
実は、最初筆者が日本に一時帰国した際、それは初年度のジャパントリップで外国人達を引き連れて来日した際、筆者は日本で旅行者用のSIMカードを買って使っていた。
しかしどうだろう、中国人同級生達を引き連れて、スタバかなんかでWi-Fiを拾おうとした際、「GLP○○&#%@」のような同じような名前のWi-Fiが異常な数飛んでいることに気付いた。
そう同級生達のWi-Fiである。
彼らは、日本でインターネットを繋ぐのに、最も安い方法はタオバオでポケットWi-Fiをレンタルしていくことだということを知っていたのだ。
噂には聞いていたが、最初全然信用していなかった筆者。
しれっと試しにその次に日本に帰ったタイミングで使ってみることに。。。
「なにこれすげー便利!」
海外旅行に行く際に、日本でレンタルWi-Fi(イ○トのWi-Fiとか)借りて、すぐにインターネット容量の上限に達してむっちゃ速度が遅くなったり、自分の期待通りに働いてくれなかった経験がある人はいるんではないだろうか。
このポケットWi-Fiも、一日100円程度、しかも中国製ということで全く期待していなかったが、
1.4Gでめちゃくちゃ早い。
2.何台でもつなげる
3.無制限に使い放題
のため、むちゃくちゃ便利。むしろ最強であった。
中国発、日本行きの飛行機で、日本に到着と同時に中国人が一斉にポケットWi-Fiの電源をつける光景を見たことがある人がいるかもしれない。
実はそれは、タオバオ経由の最強のポケットWi-Fiなのであった。
海外にいると日本に一時帰国の際のポケットWi-Fiの宣伝がFBによく出てくるけど、中国にいる人で日本に帰る時は、「タオバオ」でポケットWi-Fi借りるの一択。当日まで予約できて、空港で受け取れて1日100円くらいで日本で4G使い放題。最強すぎる。 pic.twitter.com/sqWg7vRwOO
— Hirotaka_CEIBS (@bigmountain29) 2018年3月27日
CEIBS合格から入学までにしたこと
これからCEIBSに入学される方々からCEIBS合格してから、CEIBS入学までの間に何をやっていたのか聞かれたので、今回参考までに記載しておきたい(遅くなってしまい申し訳ないですm(_ _)m)。
筆者の場合1st ラウンドで合格していたので、入学までの間わりと時間があった。
1月—2月(英語発音強化と中国語)
- MBA受験を通じて、自分の発音が他の外国人同級生に比べて著しく劣っていることを痛感し、英語発音の専門家であるスギーズ先生に弟子入り(先生は、生徒のことを弟子と呼んでいた。大変残念ながら、小生のMBA期間中に先生は他界された。先生のご子息が引き続き同じメソッドで発音塾をやっている)。
- 東京にある中国語の学校(東亜学院)でフルタイムで中国語の勉強
- もちろんオンライ英会話(DMM英会話)は毎日継続
3月—6月:(復旦大学で中国語どっぷり)
- 復旦大学(上海)にて中国の勉強。3月からどっぷり中国でフルタイムで中国語の勉強を開始して、4月にHSK5級を取得。HSKの試験は、リーディングの比重が高く、スピーキングがないため、日本人にはかなり楽勝な試験である。従ってHSKが取れたからといって喋れる訳ではない。実際HSK5級程度では、例えばCEIBSで中国人と中国語でディスカッションするのは難しい。
- もちろんオンライ英会話(DMM英会話)は毎日継続
7月:CEIBSにて英語のプレコース受講
こんな感じである。
入学前は「英語の発音」と「中国語」の上達に時間を割いていた。
自分の感覚では、英語と中国語は全然親和性がないように感じており、当たり前だが、中国語を10勉強したら英語力が1上がるようなことはない。
むしろ、中国語を10勉強したら英語力が1下がってるんじゃないかと思うこともあるくらい相性の悪い言語だと感じており、両方を同時に学習することは非効率だと思っていたが、自分の運命と思って頑張っていた。