CEIBS MBA日記

CEIBS(ときどきIESE) MBA日記

2016年夏から中国、上海のChina Europe International Business Schoolに挑戦する日本人のブログです。本ブログの記事は個人の見解であり、所属する組織や団体とは一切関係なく、組織の公式見解等を示すものではありません。

日本で今後起こるだろうタクシー戦争を、先にフランスで実感してみる。

MLBのワールドシリーズが終わりましたね。

時差の関係では、こっちの深夜の放送だったのですが、毎試合面白すぎてついつい観てしまいました。

アメリカでは三大スポーツ、欧州ではサッカーとスポーツエンターテイメントが発展していてスポーツ好きにはたまらないですね。
中国はこの点本当に遅れていて、例えばサッカーで有名な選手を世界中から獲得09たりしているが、そこまで盛り上がっているかと言われれば微妙です。

しかしながら今後必ず伸びる業界なので、この交換留学中に交換留学先の学校でスポーツビジネスの授業をとっている同級生も多くいます。

日本のプロ野球、日本シリーズは盛り上がっているんでしょうか。自分が高校生で高校野球やっていたころは毎日のように観ていましたが、それ以降有名な選手が大リーグに行く流れもあり、大リーグの方が観るようになってしまいました。海外にいたらなお一層ですね。

 

 

滴滴の日本進出

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先日報道されていた、滴滴(Didi)が日本進出するというニュース。実はこの数日前、台湾人のCEIBS同級生(バルセロナでの同居人)から、滴滴が台湾進出を企んでいて、採用面接を受けるという話を聞いていた。

実はその時とても驚いた。

www.nikkei.com

 

基本的にUber

 

だって滴滴の基本的なコンセプトは、Uberと同じだからである。

モバイクはコンセプト自体が新しく、モバイクの日本参入を発表した当初は競合他社がいなかったし(今は日本企業が逆にモバイクのコピーサービスを始めているが)、全く新しい概念だから日本で流行ったら面白いなと思っていたが、

滴滴はUberですやん。

ceibs2018.hatenablog.com


台湾では日本同様に、既存のタクシー業界を守るために、Uberがなかなか苦労していると台湾人同級生から聞いたことがある。そのため基本的には同じサービスの滴滴が成功出来るとは思わなかったから、台湾進出はとても驚いた。
確かに、目的地までの過程で他の乗客が乗ることで更に安くなる機能とか、車でレストランまで行き、飲酒した際に、自分の代わりのドライバーを呼ぶ機能等、他のアプリにはない機能をもっているが、基本的には主たる機能は、Uberと同じで、目的地まで、安価で安全に待ち時間なく、その場で現金でのやり取りもなくスムーズに移動するための手段である。

 

なのでその時は、日本への進出等全く考えもしなかったが、まさか日本にもやってくるとは。。。

彼らがこれからやることは、中国でUberが進出した際に、Uberを撃退するために滴滴がとった作戦と基本的には同じと予想される(通称タクシー戦争)。
それは、徹底的に驚くべき安値で消耗戦に持ち込み、相手が音を上げるのを待つ作戦である。競争相手が全て潰れた後に、値段を上げて収益を上げれば良いので、当面はシェアを取りに徹底的に、考えられないくらい安値で仕掛けてくるはずである。

もちろん、日本政府やタクシー業界との交渉次第ではある。
Uberが日本での営業活動に苦戦してる内に、莫大なチャイナマネーをバックに日本でシェアをとることが出来るか、とても注目である。

 

フランスでのタクシー戦争

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と思っていたら、たった今CEIBSから交換留学でフランスに来ている同期にフランスに来ているのだが、なんと先ほど滴滴がヨーロッパでUberのコンペティターであるTaxify(エストニア)にヨーロッパ進出の一貫で出資して、ヨーロッパ市場に乗り込んできていることを知った。(たった今まで知らなかった、勉強不足で恥ずかしい)

www.bloomberg.com

フランスではたった今UberとTaxify(with 滴滴)のタクシー戦争の真っ只中なのである。

thebridge.jp


ほんで早速使ってみた。

なぜなら今フランスでは、滴滴と組んだことで莫大な資金が手に入り、絶賛キャンペーン中なのである(Taxifyは他のヨーロッパ地域でも使えるので、他の国でも同様かもしれない)。具体的には大体5€くらいのクーポン券を一人につき複数枚配っている。

5€ってかなりデカイ。2000円位乗ったら1300円くらいになるのである。

ちなみにTaxifyもUberも滴滴も基本的には同じサービスである。

 

Taxifyの安値攻撃

 

こちらの記事では、Taxifyがパリに今年進出してきた時の、とてもアグレッシブなやり方が書かれている。
元々パリはUberが市場を独占しており、そこにTaxifyが入ってきた。
記事によれば、Uberが運転手から25%程コミッションを取るのに対し、Taxifyは15%程。それでいて、客が払う運賃は10%程Taxifyの方が安い。

www.thelocal.fr

そりゃ客もドライバーもTaxify選ぶわ。

 

滴滴以外に日本に進出してきそうなイノベーティブな中国企業


台湾同級生との話の中で、もう一社台湾進出を企んでいる会社があると聞いた。その時は、滴滴は頭の中に日本で流行るイメージが湧かなかったが、その会社は割りと日本に来たら面白いなと思った。その会社は次回紹介したい。