MBAとは【決断】の訓練の場
先月末はCEIBSの一大イベントであるTEDが行われたので、
僕のウィーチャットのタイムラインはTEDの写真で埋め尽くされた。
卒業した多くの自分の代も、エネルギーをチャージしに参加していたらしい。
(↓この方はCEIBSの客員教授。とても人気でTerm 4で授業を受けることが出来る。一切パワーポイントを使わない。黒板と地球儀のみで授業をする唯一の教授)
こんな感じの写真がウィーチャットのタイムラインを埋め尽くす中、
また少し間を置いて、また別の流れの似たような写真が、タイムラインを埋め尽くし始めた。
年配の紳士と、学生とのツーショット写真である。
しかしどこかでみたことある紳士だなと思っていたら。。。
(↓在校生のブログ)
ameblo.jp
そうSonyの元CEOの出井さんである。
実は、CEIBSのアドバイザーを務められていて、学生向けにキャリアコーチング、カウンセリングという名目で、希望者は1人1人、1対1で出井さんにカウンセリングをお願い出来る。
そこで撮った写真をみなタイムラインに載せまくっていたのだった。
こんな感じで、CEIBSは外から様々な方々を連れてきてくれて、キャリアを相談することが出来る。
しかし出井さんに自分の個人的な相談が出来るなんて、なんて豪華なんだろう。。。
MBAは【決断】の訓練の場
ここ二回でMBAの感想を述べたが、もっと立派な文章を古賀洋吉さんが過去書かれているので紹介したい。
yokichi.com
以下古賀さんのブログより引用
“MBAとは【決断】の訓練の場であり、知識を得るのがメインの場ではない”
↓
“MBAに対する日米の評価が違うのは、「決断」に対する評価が違うから”
↓
“日本企業におけるMBA派遣はほとんどが「福利厚生」であって「決断」とか関係ない”
引用終わり
本当におっしゃる通りだと思う。
MBA留学中にやっていた活動の一つ、ビリオンビーツでたくさんの同級生たちをインタビューすることが出来たので、そこで得られたものを振り返りたい。
海外MBA行って結局どうだったの??(後編)
前回からの続きで、海外MBA行ってよかったと思ってる理由の2つ目から。
2つめは、こういう人になりたいな。という自分の憧れ、目標となる人々に出会えたこと。
頭の良さも、社交面も、ユーモアも全て含めて勝てないなというスーパーマンのようなクラスメイト、OB・OGと知り合うことができ、自分も頑張ってこういう人になりたいなと思えるようになったのは、大きな財産である。
自分のそれまでの経験がとても狭い範囲であったということもあるが、留学中に出会った、全ての項目で飛び抜けている人材にはあまり日本では出会ったことはなかった。
例えば自分の代で、一番尊敬していた、憧れの同級生は、年下の南アフリカの同級生。彼は、公認会計士で、学業もとても優秀で、学年の代表として卒業式でもスピーチしていた。
彼のすごいところは、中国語がしゃべれないにも関わらず中国人コミュニティの中に1人でもどんどん入っていき、中国人の懐に飛び込むことで中国人からも愛されていた。間違いなくとても優秀で頭もキレキレなのだが、たまに抜けたところもあり、そこも皆から愛されていた。そして彼は自分が知る限り、中国人同級生の中国語名と英語名(中国人は自分の英語名を持っているケースが多い)全て覚えていた。
自分はと言えば、同級生の名前がスッと出てこずに、情けなくなった経験が何度もあった。日本人でまだ中国語の名前は覚えやすいはずなのに。。。)
勉強も学年トップにも関わらず、全てのイベントに参加し、リーダーシップを発揮する彼のようになりたいなと強く思ったのだった。
(彼の特集されている記事↓)
3つめは、これはCEIBSでないと得られなかった経験だが、中国の勢いを直に感じられたこと。
例えば、自分の上海生活が始まった2016年2月時点では全く流行っていなかった、シェアリング自転車が、気付けば1年も経たない間に、中国人の足となり、生活の一部となった。また、普及した当初は、法規制やモラルが追い付いておらず、街中に自転車が散乱されているケースも散見されたが、その後、サービスに規制やモラルが追い付き、以前のような状況からはかなり改善された。
更に中国にきて1番驚いたのは、2つ目で言及した自分が絶対に勝てないと思った、スーパースターたちを掻き集めている様子を目の当たりにしたことです。ご存知の通り、テンセントやアリババといった中国企業は時価総額でも世界トップ10に入っていますが、日本人には馴染みがないため、どれだけの会社か正直肌感覚として分からない人が多いかと思う。
例えばアリババ。アリババは世界一流の大学院、もしくは博士課程卒業者を対象にアリババグローバルリーダーシップアカデミーという、幹部候補生用のプログラムを持っている。これは世界中から集められた20名程のエリートたちが、ジャックマーのもと1年間強の特別なプログラムを受け、その後、母国にアリババの普及活動に務めるというもので、日本企業では考えられないような待遇と職域の広さに惹きつけられ、昨年はハーバード等の一流校から6000人程の応募があったという。そしてCEIBSからも先に述べたスーパースター級の逸材がアリババの門を叩いている。
こんな人材を抱えて、かつスピード感ももったジャイアント企業と今後どうやって戦っていくのだ。と恐ろしさすら感じた。
中国の発展具合は、日本人にとっては知らない方が幸せな、ある意味不都合な真実かもしれない。
自分も東京に帰ってきて、やはり未だに中国を下に見るような、何十年も前の感覚を持っている日本人に多く出会う。
実際に中国本土に行って、経済的にも、ITの進み具合に関しても、中国の方が日本の遥か先にいっている現状を見たら、愕然とするのだろうなと思いながら接している。
海外MBA行って結局どうだったの??(前編)
MBAに関しては、色々なネガティブなコメントを散見する。
MBAを批判するコメントは主に以下3パターンに分かれると思っている。
- MBAという教育が今の時代に合っていない、というMBAの教育そのものを批判するもの。
- 世界のランキングにランクインしているMBAスクールが日本にはない(=世界から評価されていない)のでレベルが低いと、「国内」MBAを批判するもの。
- 学費があまりにも高いため、年功序列の日本の会社で普通に勤めては、その投資(=学費)を回収できない「海外」MBAを批判するもの。
(過去ブログで触れたこの本は、基本的には2番目にあたる↓↓)
自分自身は日本国内のMBAスクールに通っていないので、2の部分は不明だが、他の主張については、理解できるし、実はある程度同意でもある。
しかしそれでも、自分はMBA留学にいって、本当に良かったなと思っている。
以下その理由について説明したい。
ありきたりな部分があるかもしれないが、自分が感じたMBAを通じて思ったことは、3点ある。
1つめは、自分の生きてきた世界の狭さを知ったこと。
CEIBSには、国籍のみならず多彩なバックグランドを持ったビジネスマンが集まる。
いままで会社の中で、違う国籍のクライアントや、社内の違う国の支店に勤めている外国人の方々と働く機会はそれまでもあったが、それはあくまで会社の看板をみて自分に接してくれていた、もしくは日本の文化を良く知った外国人たちと接してきたんだなとMBA留学中に痛感した。
例えば、MBAで出会った海外の人と話をして、自分のバックグランドを話す時
自分は「何の専門家なのか」ということを簡潔に言わなければならない。
日本の大企業にいるとジョブローテーションの名の元、自分の意志とは別に、様々な部署に所属するので、日本人でよくあるのは、「いつからいつまでは○○の部署に所属していて、その後××の部署で働いていた」というと決まって皆外国人はポカーンとする。
自分も、会社の経営企画部という部署にそれまでいたのだが、
経営企画部は極めて日本的な部署で、なかなか海外の人には通じない。
簡潔にイメージをつかんでもらうために、途中から「In-house consultant」(社内コンサルタント)をしていた、と説明するようになった。
この背景には、海外の大企業では、今まで外部の戦略コンサルティングファームにいろいろ発注していたものを、社内で自前でコンサルタントを持つことで、外部に発注せずに自社内で解決するというムーブメントがあり、イメージが伝わりやすかったことがある。
それでも「お前は何が出来るのか?」という問いは、脳裏に焼き付き、上海にいる間は常に自問していた。自分はいったいどこで貢献できるのか、というのはMBA前半でずっと考えていた。
また、どの分野の話題になっても、自分の今までの経験から仮定を立て、正しい・間違っているは別にして、ポジションをとって自分の意見をしっかりと主張する同級生達の姿に圧倒され、当初は何もコメントできない自分になんて自分は無能なのだと悲しくなることが多々あった。
しかしながら、それは今までの習慣や考え方が染みついていることが主たる原因ということに気づき、議論に参加する際の、マインドセットや姿勢を変え、1年かからないくらいで対応できるようにはなっていった。
2、3番目は明日紹介したい。