中国企業に入るのは、僕らが考えているより大分難しい
ちょっと前に大前研一さんの記事で「世界中が「低欲望社会化」する中、日本は美しい衰退に向かう」という記事。
文脈としては日本が美しく衰退するのに対して、中国が台頭して、その流れを止めることはできないという趣旨。
そんな文脈の中で、先日SNSで出回っていた中国企業の方が、日系企業よりも給与が高いという趣旨の記事。。。
同級生の中で、就職先に圧倒的に不人気なのが、日本企業で、その次が韓国企業。
MBA同級生の中に広がっている、日系企業や韓国企業に関する噂(仕事終わりに遅くまで上司と毎晩飲みにいく、残業がとても多い、年功序列で能力が給与に反映されない等々)がその主な理由である。
一方で、この記事にもあるように、日系企業の給料は正直グローバルな企業の給料水準よりも下なので、MBAをとるようなアグレッシブで向上心のある同級生達からは人気がない。
日本の文化がめちゃくちゃ大好き!という同級生以外は志望していないのが現実である。
最近就活シーズンということもあり、私がもし今就活するならこの企業に入る!みたいな記事を目にする。
その中で、ちらほら私が今就活するんだったら「中国企業のインターネット企業」に入る!とおっしゃる方も出てきていて、筆者も当然自分が今その年齢だったらトライすると思うが、一方で
「中国企業に(幹部候補生として)入るのはとても難しい」
という点を触れている記事はあまり見たことがない。
若干、中国企業だったら志望すれば、簡単に入れるような雰囲気すら漂っている記事すらある。
確かに、中国企業の日本支社で、ポジションを望まなければ、中国企業も採用に苦労しているだろうから職を得ることは簡単だろう。
しかししかし、以前アリババのLDP(リーダーシッププログラム)にどれだけの猛者達が選ばれているか紹介したことがあるが、中国企業の幹部候補として採用されるのはメチャクチャ難しいのである。
実体験告白
そして、実は何より筆者が身をもって中国企業に入る大変さを身をもって体感した。
どういうことか?
MBA生活を充実させる上で、かかせないのはケースコンペである。
当然ながら、ケースコンペの主催者はお金がかかるので、それなりにメリットがないとやらない。
ケースコンペのスポンサー企業にはどんなメリットがあるのか?
それは、ケースコンペを通して優秀な学生の発掘という重要なミッションがあるのだ。
見て欲しい、以下が某中国企業のケースコンペに目を光らせる、中国企業の幹部陣である。
まじでこわすぎる。
一番右側の方とかまさにキングダム↓↓
(キングダムより引用)
次回は、筆者の実体験を具体的に紹介したいと思う。
CEIBS合格から入学までにしたこと
海外にいると、むっちゃ出てくる一時帰国の際のポケットWi-Fiの宣伝↓↓
実際に、筆者も日本に一時帰国する際は、ポケットWi-Fiを借りているのだが、はっきり言って、日本に一時帰国する際は、
「タオバオでポケットWi-Fiを借りる」
が正解で、この一択である。
実は、最初筆者が日本に一時帰国した際、それは初年度のジャパントリップで外国人達を引き連れて来日した際、筆者は日本で旅行者用のSIMカードを買って使っていた。
しかしどうだろう、中国人同級生達を引き連れて、スタバかなんかでWi-Fiを拾おうとした際、「GLP○○&#%@」のような同じような名前のWi-Fiが異常な数飛んでいることに気付いた。
そう同級生達のWi-Fiである。
彼らは、日本でインターネットを繋ぐのに、最も安い方法はタオバオでポケットWi-Fiをレンタルしていくことだということを知っていたのだ。
噂には聞いていたが、最初全然信用していなかった筆者。
しれっと試しにその次に日本に帰ったタイミングで使ってみることに。。。
「なにこれすげー便利!」
海外旅行に行く際に、日本でレンタルWi-Fi(イ○トのWi-Fiとか)借りて、すぐにインターネット容量の上限に達してむっちゃ速度が遅くなったり、自分の期待通りに働いてくれなかった経験がある人はいるんではないだろうか。
このポケットWi-Fiも、一日100円程度、しかも中国製ということで全く期待していなかったが、
1.4Gでめちゃくちゃ早い。
2.何台でもつなげる
3.無制限に使い放題
のため、むちゃくちゃ便利。むしろ最強であった。
中国発、日本行きの飛行機で、日本に到着と同時に中国人が一斉にポケットWi-Fiの電源をつける光景を見たことがある人がいるかもしれない。
実はそれは、タオバオ経由の最強のポケットWi-Fiなのであった。
海外にいると日本に一時帰国の際のポケットWi-Fiの宣伝がFBによく出てくるけど、中国にいる人で日本に帰る時は、「タオバオ」でポケットWi-Fi借りるの一択。当日まで予約できて、空港で受け取れて1日100円くらいで日本で4G使い放題。最強すぎる。 pic.twitter.com/sqWg7vRwOO
— Hirotaka_CEIBS (@bigmountain29) 2018年3月27日
CEIBS合格から入学までにしたこと
これからCEIBSに入学される方々からCEIBS合格してから、CEIBS入学までの間に何をやっていたのか聞かれたので、今回参考までに記載しておきたい(遅くなってしまい申し訳ないですm(_ _)m)。
筆者の場合1st ラウンドで合格していたので、入学までの間わりと時間があった。
1月—2月(英語発音強化と中国語)
- MBA受験を通じて、自分の発音が他の外国人同級生に比べて著しく劣っていることを痛感し、英語発音の専門家であるスギーズ先生に弟子入り(先生は、生徒のことを弟子と呼んでいた。大変残念ながら、小生のMBA期間中に先生は他界された。先生のご子息が引き続き同じメソッドで発音塾をやっている)。
- 東京にある中国語の学校(東亜学院)でフルタイムで中国語の勉強
- もちろんオンライ英会話(DMM英会話)は毎日継続
3月—6月:(復旦大学で中国語どっぷり)
- 復旦大学(上海)にて中国の勉強。3月からどっぷり中国でフルタイムで中国語の勉強を開始して、4月にHSK5級を取得。HSKの試験は、リーディングの比重が高く、スピーキングがないため、日本人にはかなり楽勝な試験である。従ってHSKが取れたからといって喋れる訳ではない。実際HSK5級程度では、例えばCEIBSで中国人と中国語でディスカッションするのは難しい。
- もちろんオンライ英会話(DMM英会話)は毎日継続
7月:CEIBSにて英語のプレコース受講
こんな感じである。
入学前は「英語の発音」と「中国語」の上達に時間を割いていた。
自分の感覚では、英語と中国語は全然親和性がないように感じており、当たり前だが、中国語を10勉強したら英語力が1上がるようなことはない。
むしろ、中国語を10勉強したら英語力が1下がってるんじゃないかと思うこともあるくらい相性の悪い言語だと感じており、両方を同時に学習することは非効率だと思っていたが、自分の運命と思って頑張っていた。
清華大学出身者には気をつける
<第12話>在学中にママに。クラスメートは、スーパーキャリアウーマン |
ビリオンビーツの同級生インタビュー記事がアップデートされた。
前回のブログ記事で紹介した、ゴールドマン・サックス出身の夫婦である。
もう卒業も迫っているということで、ビリオンビーツでは、もう一人中国人同級生を紹介し、最後は日本人同級生(奥さんは中国人で、北京で起業)のストーリーを紹介して、インタビューシリーズをしめて、最後に小生のビリオンビーツでインタビューを通して思ったこと、MBAを通して思ったことでしめたいと思っている。
ローランド・ベルガーのコンペでCEIBSチーム優勝
一個下の代が、スペインバルセロナで行われた、ローランド・ベルガー主催のケースコンペでCEIBSチームが優勝したと記事が上がっていた。
すげーなーと思って記事を読んでいた。
これは48時間とか、72時間とか、時間制限のある中でのケースコンペティションである。
優勝したチームの感想を以下に引用する。
“Fortunately, we were each able to use our different strengths, cooperate well, and finally complete the task under pressure.”
“I didn’t realize how much we have learnt during the MBA until I did the case competition,” said MBA 2019 Apricot Wilson. “We had to settle down for 48 hours with only a case study and investor relations material to guide us in formulating a full strategy for Nokia. This pushed me to pull together knowledge from various areas, from accounting to organizational behavior. We didn’t have much time to see Barcelona and I think the trip has to be among the busiest 72 hours of my life, but I don’t think I could have learnt more in such a short time. The trip covered everything from 5G, to life as a strategy consultant at Roland Berger, to paella making courses; it was certainly a busy and fun experience.”
簡単に要約すると「バルセロナ観光する暇のない死ぬほど濃い72時間だったけど、本当にたくさんのことを学んだ」と言っている。
ケースコンペは、もちろんコンペに対するコミットメント具合にも大分よるが、本当にたくさんのことを学ぶ事ができる。
よく知らない分野について、イチから業界、バリューチェーンから調べて、要点を絞って、プレゼンに落とし込む作業は本当に勉強になる。
何より、普通だったら会うことが出来ないような、重鎮が審査員をやっていることも多いので、そんな方々からコメントをもらったり、交流できるのも財産だ。
得てして、MBAの授業の忙しい1年目に、大きいコンペが多いので、敬遠してしまう学生も多いが、無理してでも参加した方が間違いなく良い。
また、企業がスポンサーを基本的にはやっているので、志望の企業がスポンサーをやっていたら、そこの企業へのアピールにもなり、オファーをもらうこともある。
清華大学の出身者には気をつけろ!
さて、そもそもこのコンペに参加するには、CEIBS内の競争に勝って選ばれないといけない。
どんな優秀なチームかと思って、記事の写真をみると
あーなるほど、今年ファイナンスのクラスで一緒にグループを組んで、しゃれにならないくらいに頭良いなと思った中国人がいた(一番右)。
筆者は、中国にきてから中国の大学事情について、友人教えてもらった。
日本人は北京大学や清華大学くらいしか知らない人が多いかと思うが、もちろんそれ以外にもたくさん素晴らしい大学がある。
そして大学でも、学部によって難易度が全然違うことを教えてもらった。
趣味が悪いがその情報と同級生の経歴を照らして合わせてみてみると、なかなか面白かった。「あーこいつは頭が良いと思ってたけどやっぱり」「えっこいつこの名門大学出身なの?!」などなど。
筆者の2年弱、中国人エリート達とサバイブしてきた結論は、もちろん海外の大学出身の中国人もとても優秀だが、こと中国の大学を卒業している中国人に言えることは、
清華大学(特に理系学部、特に特に電子もしくは機械系)出身者
でMBAにきているような人は例外なく、むちゃくちゃ頭が良いという結論に達した。
ちょっと頭が良いというレベルではなく、「むちゃくちゃ」頭が良いというのがポイントだ。
中国のMBAにきて、まじでこいつ頭良いなと思ったら、彼らの出身大学を見る習慣がついてるんだけど、今まで出会った清華大学の理系学部、特に電子・機械系出身者は本当に賢い。
— Hirotaka_CEIBS (@bigmountain29) 2018年3月25日
北京大学、上海交通、复旦大学とか中国の有名な大学あるけど、んっあんま大したことないなと思ったら学部までみるとよくわかんない変な学部だったりする。逆に日本では全然知られてないけどハルビン工科大学の機械系出身者とかもむちゃくちゃ優秀な人多い。
— Hirotaka_CEIBS (@bigmountain29) 2018年3月25日
それくらい、飛び抜けて頭が良い人達ばかりなので、その印象が強く、これからの人生も清華大学の理系学部出身の中国人(外国人は割と簡単に入れるので除く)と出会ったら身構えてしまいそうである。