ドSな教授
先月末に1泊2日で、アリババ主催のGlobal Smart Logistics Summitに参加+アリババ村(アリババの抱えるたくさんのビッグデータ会社や関連会社)の訪問とアリババ本体の訪問をしてきた。これは、CEIBSのロジスティクスクラブの活動の一環である。
丁度日経新聞にも、アリババとテンセントが時価総額で世界トップ10に入っていることが記事になっていた。
この2日間はまさにLife Changing Eventだった。
アリババとテンセントはほとんどの日本人が過小評価していると思う。
筆者もCEIBSに入学するまでは、宇宙人みたいな中国人(ジャック・マー)がやっている怪しい会社としか思っていなかった。
今度改めて、アリババの解説と合わせて先日の2日間を記事にしたいと思う。
ドSな教授陣
Term 4は授業の負荷は大分下がり、ICSPという実際の企業へのコンサルプロジェクトの占める割合が高い。
同級生は皆、インターンを夏休みの前に既に始めているものもいれば、更に良い機会を狙ってまだ貪欲にインターン探ししている者もいる。
しかしながら教授によっては、とてもドSな教授もいる。
このおっさん(Professor Bala)である。
(大変尊敬しているので同じ写真で二回登場。CEIBSのウェブサイトより)
彼は同級生の中からとても評判が良いし、面倒見もとても良い。
彼の家に生徒を呼んで、食事会等も時たましてくれている。
ミクロ経済と、China within the worldという必修科目を担当しており、彼のお陰でミクロ経済が好きになったという人は少なくない。
しかしながら、多くの同級生はTerm 4になって気付いた。
彼はドSである。
彼の課題のテーマそれ自体は重くないのだが、彼の課題はタイムリミットが他の教授より厳し目に設定されることが多い。
例えばTerm 4の中であった一つの課題に、夕方5時に課題が発表されて、翌日の夕方5時までに提出というものがあった。
これはこの科目の中間試験の役割も兼ねているので、皆真面目に取り組んだのだが、
翌日皆授業がみっちり入っており、筆者の場合、朝11時から夜7時過ぎまで授業があったので、翌日の授業が始まる11時前までに課題を終わらせなければならない。
2つのとても自由度の高い中国経済に関するテーマについて、各々1,500字でレポートを書かなければならない。
結局夕方5時に課題が与えられて、リサーチを開始して、2つのレポートを書き終えたのは朝の7時だった。
翌日は久々に皆疲労困憊で、Term 1のときのような教室の状況だった。
↑Term 1の写真を再掲
この教授の課題はこれに限らず夕方に課題を出して、翌日の授業でプレゼン等が多い。
前もって課題を出してくれればなんてことないのに!!
彼はこうやって学生をいじめ抜いて鍛え上げることに快感を覚えているに違いない。
何度も言うが筆者は本当に彼を尊敬していて、彼のお陰で毎日興味をもってFinancial Timesを読む癖がついた。
↑こちら中国で大ヒット中のインド映画DANGAL
コンサルプロジェクト
筆者は中国にいる間基本的に財布を持ち歩いていないが、
たまに本当にたまに、例えば、日本人であまりWechat Payを使っていない人と飯を食べる際に割り勘等する場合に備えて財布を持ち歩くことがある。
財布を持ち歩くのが恐い
半年間財布を持ち歩かない生活を続けた結果、それに慣れてしまったため、たまに財布を持ち歩くととてもソワソワするようになった。
財布もってるってめっちゃ危なくね??指紋認証もパスコードもついてないし、落としたらアウトじゃん。でかいし。
ちなみに電子マネーで生活の全てをカバーする際の最大のリスクは何と言っても
スマホの電池切れである。
財布も持ってない、電池もそろそろ切れる。
やばいタクシーにも電車にも乗れない。。。
こんなシチュエーションに直面したことは、中国在住の方なら結構いるはずである。
小生が持ち歩いているのは小米の下の携帯用充電器である。
ちなみに中国人のスマホ依存度が上がるにつれて、カフェで充電器貸してくれと
全然知らない中国人に話しかけられる頻度が増えた気がする。
新手のナンパとも言える。
Integrated China Strategy Project
多くのMBAスクールにもあると思うが、CEIBSにもMBAで学んだ知識を実際の場で活かすべく、実際の企業へのコンサルプロジェクトがある。
また、企業側もタダでCEIBSの学生と教授の力を借りる事ができ、その企業の課題を解決するべく働いてくれるのでWin-Winという訳である。
どうやって学生がプロジェクトにアサインされるかというと、
まず学校側が企業名は伏せた上で、各プロジェクトのタイトルと概要の一覧を学生にアナウンス。
その中から、学生は各自でチームを組んで、興味のあるプロジェクトに応募する。
必要数の倍以上の応募が、企業側からあり、学生はかなりの数の中から選ぶことが出来る。
今年は、半数以上がビッグデータ関連のプロジェクトだったように思う。
優秀なチームメイト
結局小生は、中国人3人と韓国人1人とグループを組み、某大手外資系企業のビックデータを使った中国進出のお手伝いをすることになった。
メンバーのプロフィールは、中国人3人は、起業家の中国人男子(イギリス育ち)、ヘッドハンターだった中国人男子(イギリス育ち)、コンサルの中国人女子と、韓国でデータアナリストだった韓国人男子(アメリカ育ち)という感じである。
このチームの特徴としては、何と言っても良くも悪くも無駄な労力は割かないということがあげられる。
皆、他にも色々やりたいことがあるので、あまり意味のなさそうな課題等は最小限の労力でクリアしようとする。
圧倒的なその場力
しかしながら、このメンバーで作業をしているととても感じることがある。
プロジェクトの進捗の過程のプレゼン等、頻繁に教授やメンターの前でプレゼンする場があるのだが、そのQ&Aの中で自分の能力の低さを痛感する。
パワポの準備や、プロジェクトの下調べ等、圧倒的に自分が時間を割いて理解度が高いはずで、プレゼン前も、チームメイトから超基本的な質問を受けてこいつら大丈夫かと思うことが多々ある。
しかしながら、実際Q&Aセッションで専門家から鋭い質問がバンバン飛ぶと、間髪入れずにチームメイトがスラスラと応えていく。
実際よく聞くと、今までチームの中で議論していた内容とは全然違ったりするのだが、
有る事無い事おりまぜ、その場で専門家をねじ伏せていく姿に自分の実力不足をプレゼンの度に感じるのであった。
このその場力みたいな能力は、海外で教育を受けてきた学生は比較的高いような気がする。小生は残念ながら、この能力に劣るので、しっかりと人の何倍も準備するしかない。
データサイエンスの授業
昨日近所のデパートに買い物に行った。
もちろんMobikeで。
すると。。。
道がMobikeだらけ!!!
人が一人通るスペースしかない涙
Mobikeの難しいところは、チャリンコが上海市内でまんべんなく散らばらないことである。
つまり、ある場所Aからある場所Bへよくチャリンコが使われるけど、反対に場所Bから違う場所にMobikeを使うとは限らない。
その場所Bにたくさんのチャリンコが溜まってしまうのである。
そうなると夜中にMobikeの従業員が大量にチャリンコを再配置している。
画期的なサービスだが、まだまだ発展途上なのである。
Term 4の授業
CEIBSはどんどんカリキュラムを良くしようと努力しているため、毎年毎年新しい科目が出て来る。
もちろんそれだけチャレンジすれば、良い科目もあれば、いまいちフィットしない科目も出てくる。
Term 4の中でもそのような科目があった。
それが
データサイエンスの授業である。
ビックデータ等キャッチーな言葉が授業紹介文に並び、これからはデータサイエンスの時代だろう!と教室に入る上限いっぱいの70人以上の同級生がこの選択科目に飛びついた。
しかしこの授業は、今年から始まった授業のため、昨年までの実績がない授業なのである。
そして初回の授業で全員絶句することになる。。。
アルゴリズム、アルゴリズム、アルゴリズム
今回の教授は、MBA生に普段教えている教授ではない。
データサイエンスを専攻する学生に教えている教授である。
そして最初の3回くらいの授業は、基本的なアルゴリズムの説明についての授業で、
まるで数学の授業のようであった。
実際のケースを基に議論して、何かを得る普通のMBAの授業とはまるで異なる。
生徒の不満殺到
ついていけずに、諦めてしまう生徒が続出したのである。
また、デーサイエンス「マネジメント」の授業なのに、実際の事業等に全く結びつかないと、アドミッション・オフィスや教授に直々に不満が殺到したため、
教授も後半やや、実際どのようにこのアルゴリズムが実世界で使われているか、
実業家を招いての授業など実務よりの授業になった。
www.kujiale.com
例えばゲストスピーカーに来ていただこの企業↑。
どんな起業家というと、上海の住みたい場所の住みたい物件を最初に選択して、自分の好きな間取りや家具を画面上で設置すると、実際に自分が選んだ家具や間取りで希望の物件が3Dで浮かび上がってくる。
内装のデザイナーと顧客の実際のニーズを共有して、限りなく顧客のニーズに沿うように出来るというわけだ。
創業五年で急成長したベンチャーで話はとても面白かったのだが、いかんせんこのアルゴリズムが元になってるとか言われても飛躍がありすぎて実感がわかなかった。。
テスト前には、データサイエンスのバックグラウンドを持つ、同級生がテスト対策の講義をしてくれた。
教授も、実際2時間のテストだけど、すげー簡単だから、早い人は30分で終わっちゃうかもしれない。という言葉を信じ油断して正直何か雲をつかむような感触のまま、テストに臨んだ。
結果1時間経っても席を立つ同級生はおらず、皆むちゃくちゃ難しいと感じたようである。
データサイエンスの授業等は今後増えていくだらうが、どのようにMBAの授業に取り込むか、どこまで深掘りするか、今後の課題ではないだらうか。
ちなみに筆者自身はデータサイエンスの世界はこんなものなのかと覗けたこと、基本的な考え方を学べたので割と満足はしました。